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“令和のラジオスター”になった23歳女性の半生。父の死を機に子役から離れ、バイト掛け持ちで学費を稼いだ経験も

下積みの「し」もない状態でステージへ

エッジ1203──もしかして、下積みゼロの人ですか? アンジー:ゼロどころじゃないです。下積みの「し」の字もない状態で、下駄履いていきなりステージに立ちました(笑)  メンバー加入オーディションを経て、「私の何がそんなに良かったんですか? やっぱ歌声とかですか!?」って聞いたら、「ぜんぜん、歌がうんぬんとかじゃないよ。とにかく華があって、なんか気になっただけ」って。 ──すごい、なんか芸能界の本質みたいな話ですね。 アンジー:私的にはやっぱ歌で評価してもらいたかったんですけどね!? でも嬉しかったです。そう言ってもらえて。裕福な家庭ではなかったし、「もう芝居をやらないなら、将来は安定した仕事に就いてくれ」と言われてたんですよ。  だけど、父が残したいろんなCDのジャケットを見ているうちに、お父さんとの思い出が蘇ってくる“音楽”をやりたいなって思うようになって。 「高校3年間のうちに絶対プロになるから!」って母を説得して、表現に特化した私立校に通うことを決めて、奨学金の手続きも全部自分でやって、4月2日からすぐ朝も夜もバイトを始めて、掛け持ちで学費を稼ぎながら学校に通って。  もう、Gacharic Spinのオーディションは「絶対に決めなきゃ、ここでダメならもう夢を諦めなきゃいけない」ってタイミングでした。

ラジオでバンドの話をしないワケ

──トントン拍子に見えて、壮絶な覚悟が。 アンジー:私は、すべての活動はバンドのためにやってるって気持ちが強くて。でも、ラジオではメンバーのこともライブのこともぜんぜん話しません。Gacharic Spinファンの方はもしかしたら「もっとバンドの話してよ!」と思うかもしれないけど、あえてそこはしてないです。 「ラジオを大切にしていると、必ず本業に返ってくる」って伯山さんに言われたことがあって、自分を応援してくれる人に向けた“内輪っぽい”ラジオをやっていたときは、その言葉の意味がわからなかったんですよ。  だけど最近は、テレビともSNSともまた違う、アンジーの気持ちを理解して、言葉を聴いてくれる人たちが、ラジオに集まっているんだって感覚があります。  熱を持って聴いて、愛してくれる方がたくさんいる。これはラジオにしかない強みだし、「ラジオのお仕事ができてよかった」って思う一番の理由ですね。
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ベテランから好かれる理由はズバリ「愛嬌」!
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