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西友の買収で「小売業界6位の巨大チェーン」が爆誕。総合スーパーの課題「アパレル・雑貨」の販売不振を乗り越えられるか注目

「食料品以外の販売不振」を乗り越えるには…

 買収後のポイントは、西友の企業価値をいかに高めるかにかかっているでしょう。  西友はすでに営業利益率が4%を超えており、効率的な運営体制を整えていました。これはウォルマートから経営を引き継いだ投資ファンドのKKRが、流通業界のプロ経営者である大久保恒夫氏をCEOに迎えて経営改革を行った成果。大久保氏は組織改革を進め、デジタル化を推進。付加価値の高い商品を販売することで、利益率の向上を図りました。  ただし、好調なのはスーパーで、伸びしろは衣料品やインテリア、雑貨など食料品以外にあります。かつてウォルマートの傘下にあった西友は、イギリスのアパレルブランド「ジョージ」を展開して衣料品の強化を図った時期がありました。しかし、失敗に終わっています。  総合スーパーで苦戦している多くは、食料品以外の販売不振に悩まされています。イオンもアパレルの強化に乗り出しており、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが買収したユニーも、衣料品を中心としたプライベートブランドを強化しています。  トライアルもアパレルの独自ブランドを持っているものの、ラインナップはまだ多くありません。中長期的にはアパレルや雑貨を強化し、西友とのシナジー効果を高める取り組みが必要になるでしょう。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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