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「東大卒、110キロ」の女性YouTuberが育った“特殊な環境”…「私が家庭内で1番学力が低い」と謙遜する理由

大学生になって「何だか落ち着かなかった」

うさねこらーじさん

中一のとき、セルビア・ベオグラード「ニコラ・ステラ博物館」にて

――うさねこらーじさんは明るいイメージなので、大学時代に気分が落ち込むことがあったと聞いて驚きました。 うさねこらーじ:何かがあったわけではないのですが、大学生になると中高時代に比べていきなり自由になりますよね。それが何だか落ち着かなかったんですよね。実は大学院に行かずに学部卒で就職したのも、「社会に貢献したい」という思いからなんです。社会でどう役立つのか見えにくい学生時代の勉強よりも、自分の働きが見えやすい社会生活に憧れたんですね。 ――ご両親はその選択になんておっしゃっていましたか。 うさねこらーじ:尊重してくれました。父は、院進してほしそうでしたが(笑)。

ささやかな反抗は「ニンテンドーDSを…」

――ご両親とかわした日常会話のうち、「今思えば学習につながっていたな」と思う関わり方はありますか。 うさねこらーじ:自由研究などは、やりたいことを伸び伸びさせてもらいましたね。小学生のときはダンゴムシの研究をまとめたのですが、「1つの条件を変えて、ほかを同じにすると、きちんとした比較ができるよ」みたいな基礎的なことを教わっていました。思い出すのは、「◯◯ちゃんとはずっと同じクラスなの。すごいよね」と何気なく父に言ったら、「じゃあ、ずっと同じクラスになれる確率を調べてみようか」って(笑)。それも楽しかったですね。 ――その卓越した学力を、子育てにフル活用している感じが伝わってきますよね。 うさねこらーじ:補助輪付き自転車から補助なしに移行するとき、私が「転ぶのは痛いから嫌だ」ってゴネたことがあって。両親はいろいろ調べて、ペダルを一旦取り除いた状態で跨って歩く訓練を提案してきました。すると揺れに身体が慣れて、ペダルをつけた状態で漕いでも揺らがなくなって、無事に1度も転ぶことなく乗れるようになったんです。 ――思春期、あまりご両親に反抗はしなかったですか。 うさねこらーじ:ささやかな反抗はありましたよ。中学受験が終わったお祝いに買ってもらったニンテンドーDSは、しばしば徹夜でやり込んでしまって。でもそれが発覚したら怒られるから、機体の時間をありえないような過去に設定して、事実を隠蔽していました(笑)。両親はやりたいことをやらせてくれるので、怒られたことは基本的に少ないんですが、ネットなどに傾倒していくのをあまりよくは思っていなかったでしょうね。
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体重が増えたのは「大学を卒業してから」
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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