「幼稚園の年中で九九を覚えさせられ…」厳しい教育を受けた27歳女性が「母親の人生のやり直し」を避けるためにしたこと
反旗を翻し、自身の夢を伝えるも…
志望校に入学してから気づいた“格差”
結局、浪人して芸大へ進学するための予備校へ通うことになった愛さん。母親は最後まで反対したが、思わぬ援軍を得た。
「父は母と仲が険悪で、口を開けば母の悪口を言っているような人です。母の教育への暴走を止められなかった罪滅ぼしなのでしょうか、父と父方の祖母が、予備校の学費の一部を出してくれました。大部分は、週に6回ほど朝6時から11時まで駅構内でのバイトをして補いました。浪人時代の私は、バイト先から予備校に直行して勉強する生活をしていたんです」
浪人の甲斐もあって晴れて京都市立芸術大学へ合格。だがその門をくぐった愛さんは、同級生たちと住む世界が違うことを思い知ったという。
「予想はしていましたが、芸大へ進学する子たちの実家は裕福なので、経済格差は常に感じました。そもそも制作にも費用がかかるので、実家からの支援があってアルバイトの必要さえない同級生たちとはスタートラインが違うんですね。私は体調を崩して留年を選択したため、入学の同期とは卒業年がずれるのですが、彼女たちが卒業を前に『アルバイト経験がないから、アドバイスがほしい』と来たときは仰天しました。就職に際して1度もアルバイトをしてこなかったのが不安だったようなのですが、私からすると、恵まれた環境すぎて(笑)。
私は学生時代、とにかく単価のいいアルバイトを探して、キャバクラ、コンセプトカフェ、ガールズバー、メンズエステなどで働いていました。あまりに境遇が違うので、アドバイスと言っても逆に迷ってしまいますよね」
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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