[禁煙ファッショ]客をめぐって店同士のにらみ合いが発生!
神奈川県内の飲食店の悲惨な”現状”とは……?
【case4】客をめぐって店同士のにらみ合いが発生!
条例施行で神奈川県の飲食店経営者が特に気にしているのが、喫煙客の店離れ。しかし、その流れで売り上げが激減することを懸念するあまり、店舗同士の人間関係が悪化するケースが起こっている。
「確かに喫煙客離れはどの店にとっても脅威。それはよく理解できるんですけど……」
そう語るのは、中華街で飲食店を経営するYさん。そもそも中華街は、県外からの観光客が多いだけでなく、喫煙客の比率も非常に高い街。しかし、そのことが引き金となり、条例施行の4月以降、周囲の店との関係が一変してしまったそうだ。
「今年の初めの頃までは、周りの経営者たちとも仲が良く、『お互い、分煙ができるほどの売り上げもないし、早く禁煙にしなくちゃね』なんて笑いながら言い合うぐらいだったんです。でも、いざ条例が始まると、その中のある店のスタッフが毎日店の外にやってきて、必ず僕の店の様子をチェックしていくようになって……。自分たちが禁煙店にしたいから様子を窺っているのか、それとも僕の店の客を横取りしたいから店に来ているのか。相手の店が何を考えているのかわからないですけど、本当に毎日気分が悪いですよ」
一方、県内の繁華街で居酒屋を経営するAさんは、来年の条例本格施行に向けて禁煙化の準備を進めているのだが――。
「店の周辺は喫煙客がメインの地域。そのため、禁煙のタイミングを間違ったら、客が他店に完全に流れて商売が続けられなくなる可能性も出てくるんです。実は周りの店舗はそれを期待していて『次はどこが禁煙にするのか』と目をギラつかせている状態。この前も隣の店の主人が『早く禁煙にしちゃってよ!』と冗談交じりで声をかけてきましたけど、目が全然笑っていなかったですからね。本当に気が滅入りますよ」
経営的だけでなく、精神的にも疲弊する飲食業界。喫煙客ナシでは明るい未来はやってこない!?
500m四方の街の中に400店舗強もの飲食店がひしめきあう中華街。
観光名所の裏では、壮絶な客の争奪戦が繰り広げられる
― 神奈川発[禁煙ファッショ]が飲食業界を滅ぼす!【5】 ―
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