フリー参加のものまね大会、優勝賞金は100万円!
そっくり館キサラ』店長の川倉正一氏が、ものまね界の現状を語る。
「もともとお客さんは地方在住の方が多かったのですが、この2~3年でファン層がガラリと変わりました。今は男女比もほぼ同数で、20代の女性やカップルのお客さんが増えたことにより、支持層がグッと広がった印象です。『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』など若手芸人中心のネタ番組ブームが一段落し、お笑いファンがライブ指向になっているのかもしれません」
また、ものまねの“見せ方”自体も変化しているという。これまでは“ワンドア”という、ひとりがひとつのネタを提供し、順番にステージを回していく寄席と同様のスタイルが主流だったが、芸人同士によるシャッフルやコラボが盛んになり、協力してひとつの空間を作り上げる機会が増えた。こうした新たな試みがシーンの活性化に一躍買っているのは間違いないだろう。
そして今回、『そっくり館キサラ』では、優勝賞金100万円の「第1回 ものまね王に俺はなる! 2012」という大会を実施。参加資格はプロ・アマ問わずで、参加費用はわずか1000円、郵送や直接来店のほか、YouTubeでの応募も可能だという。
「主な目的は新人発掘です。ものまねの世界はこれまで閉鎖的なところがあったのも事実ですが、ファンのニーズが変わっている中で、新たな才能を発掘したいという思いがある。僕は、ものまねって一番とっつきやすい笑いだと考えているんです。小学校のときのクラスの人気者って、先生や他の生徒の真似をして笑いを誘うじゃないですか。笑いの要素という点では、非常に普遍的なものだと思う」
過去にはコージー冨田、ツートン青木ほか数多くの人気タレントを輩出した同店は、若手ものまねタレントの登竜門的な存在になっている。しかし20年の歴史を持つ同店でも、今大会のような試みは初めてのこと。業界内外から大きな注目を集めているだけに、川倉氏の鼻息も荒い。
「店でプロのものまね芸を観たお客さんたちは、そのままカラオケになだれ込むケースが多いんですよ。“自分もやってみたい!”という欲求が刺激されるのでしょうね。最近では、YouTubeやニコニコ動画で、素人の方が“~してみた”の動画をアップする機会も増えましたよね。今後は、ますます素人とプロの境目は小さくなるかもしれません。お笑いに興味がある方は、今がチャンスですよ」
敵を知り、己を知れば百戦危うからず――と孫氏の兵法にもあるとおり、まずは敵情視察。18時から始まる1部のショーを見学にいく。
この日は、イケメン現役大学生芸人で黄色い歓声も上がった「三浦健一」、ワイドショーなどでもおなじみ大御所の「まねだ聖子」など全6芸人が登場。やはりプロ。ネタの精度はもちろん、ステージでの立ち振る舞いまで、練り込まれたパフォーマンスを披露。気づけば、「この星で一等賞になるんだ、ものまねで、俺は!」という当初の意気込みも薄れ、18種類のビュッフェに舌鼓を打つばかり。「やっぱり、ものまねは演じるより飲んで食って笑うのに限る!」なんてことをボンヤリと思うのであった。
「第1回 ものまね王に俺はなる! 2012」の応募締め切りは8月31日まで。興味がある方は今すぐエントリーすることをオススメしておきたい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
今、“ものまね”の世界に異変が起きているという。若い女性ファンを中心に、“洗練されたエンターテインメント”として、脚光を浴びているというのだ。『ハッシュタグ