「間髪を入れず」の読み、正答率はわずか9%
―[実は読めてない![うろ覚え漢字]]―
グーグルでは、単語を検索する際に一般的に知られている誤読を“もしかして”の形で表示する機能を更新。間違えて覚えていたり、読めていない漢字はこんなにあった!
【熟語編】自己流当て字で読むツワモノも
回答者の読み方がバラエティに富んでいる熟語も一定数存在した。市井(=しせい)は「しい」「いちい」「しでん」。漸次(=ぜんじ)も、「ざんじ」をはじめ、「ずいじ」「じんじ」「しおどき」「ぎんじ」「すいじ」「つきじ」と発想がユニークで賞を進呈したい。弛緩(=しかん)に至っては、「しだん」「こち」「かんきゅう」「かんだん」「ちゆる」「ちかん」「ゆえん」「きゅうかん」ほかエンドレスに。ああ、音読と訓読の掛け合わせがここまで読みの範囲を広げてくれるとは!
ほか、正答率が低く、誤答が目立った熟語は次の通り。暫時(=ざんじ)を「ぜんじ」と読んだり、巣窟(=そうくつ)を「すくつ」と読んだりするのはまあいい。会釈(=えしゃく)を「かいしゃく」、既出(=きしゅつ)を「すでで」と答えるのも、ご愛嬌で。だが、稀有(=けう)を「ほゆ」や「まれ」、そして嫌悪(=けんお)を「けの」と読むのは、当て字レベルの強引さか?
このように、独創的な回答をした人の多いこと。例えば、逆鱗(=げきりん)を「うろこ」って、「鱗」は確かに「うろこ」だけどさ。同じく、勾留(=こうりゅう)を「とめ」と読むなど、熟語の一部をそのままの読みに当てはめた人も数知れず。造詣(=ぞうけい)を「みことのり」と読んだ人は、「詔」を「みことのり」と読める漢字力を持ちながら、ミスるのが惜しい! そして団塊(=だんかい)を「かたまり」と読んだあなた……。「だんこん」と呼ぶ女子アナや新人OLが霞むくらいのインパクトです。踏襲(=とうしゅう)を「ちゅうちょ」と読んだ心も面白い。ちゅうちょ=躊躇。足ヘンしか合ってないッスよ!
◆想像力が豊かすぎる誤読も
面白い読み方をするケースとして、その熟語のイメージから独特の読み方をしたと思われる回答者も。殺陣(=たて)を「ちゃんばら」、好事家(=こうずか)を「すきもの」や「ものずき」、脆弱(=ぜいじゃく)を「おくびょう」「すいじゃく」などは、おちゃめで微笑ましい。暫時(=ざんじ)を「しばらく」は、無理やり感が否めないが。
さらに飛躍して、曲者(=くせもの)を、「ひねくれもの」「つわもの」と答えた人。その強引な読み方はまさしくひねくれものでありつわものですな。ちなみに、「つわもの」は誤読例で多数登場している。例えば、猛者(=もさ)。これを「つわもの」と読んだ人が10人もいたことに衝撃を覚える。どうしたらそう読めるのか思考回路を説明してほしい。
ほかにも珍回答は枚挙に暇がなく。他人事(=ひとごと)を「よそごと」、強面(=こわもて)を「こわおもて」「つよおもて」、健気(=けなげ)を「かたぎ」等々。これらはかわいいほうで、不可思議なのが、冒頭に出てきた何卒(=なにとぞ)を「いずこ」「なんぞ」と読んだ人の心理……。「なんそつ」「なにそつ」「なにとど」を上回る奇想天外さにしびれる。
また、建立(=こんりゅう)を「こんりつ」と読むならいざしらず、「こんだて」と読む人も。回答しているとき、空腹で頭が朦朧としていたのか?
聞き慣れない笑納(=しょうのう)については、誤答が出るのも致し方ない。「わらいおさめ」と読んだ人が6人いても、まあ。だが、「えみ」は、やけくそ感が出ているような。
◆「間髪を入れず」はなんと正答率9%!
最も難解だったのは、「間髪を入れず」だった。正答率の低さは9%と最低。答えは「かんはつをいれず」である。「95%くらいは『かんぱつをいれず』と読み、正しい読み方をすると変人に思われそうなので、なるべく使わないようにしている」(33歳.出版)と、変な気遣いをする人が出るほど。さて、皆さんの正答率は如何でしたか?
― 実は読めてない![うろ覚え漢字]【4】 ―
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