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壇蜜人気を検証する【ジャーナリスト速水健朗】

「日本一美しい32歳」として人気沸騰中の壇蜜。彼女が“時代の寵児”となった本当の理由を有識者が分析! なぜ今、壇蜜なのか……

◆速水健朗氏「壇蜜には『死』の香りをまとった強い身体性があった」

速水健朗

速水健朗氏

「壇蜜さんの魅力は、フォトショップを超えた身体性にある」と語るのはジャーナリストの速水健朗氏。そんな速水氏が初めて彼女を見たのはグラビア雑誌の中だった。

「昨今のアイドルのグラビアは、画像デジタル補正技術に頼りすぎる傾向にありました。補正技術は、シミやシワと一緒に、本来の身体が持つ生々しさまではぎ取ってしまう。プリクラの普及も手伝ってか、見る側も知らず知らずのうちに、そんな本来の身体性をはぎ取られたCGに近い写真表現に慣れさせられてしまっていたんです」

 グラビアアイドルから身体性が失われていく中で、壇蜜の圧倒的な身体性は異彩を放っていた。

「壇蜜さんのグラビアを見たときに、そのヌメッとした、生々しいまでの質感に誰もが驚きました。すごいのは、それがデジタル加工によるものではないところです。なぜなら、テレビの中で見る彼女も、グラビア同様の質感のまま動いている。つまり彼女は、フォトショップでは加工しきれない強烈な身体性を持ったグラビアアイドルという、新種なんです」

 そして、彼女のインパクトの強い身体性と同時に感じるのが、そこはかとない「死」のイメージだ。

「仏壇の『壇』に、供え物の『蜜』という名前からわかるように、彼女には死のイメージがあります。ここ数年日本では空前の『死』ブームが起こっている。写経に始まり、『エンディングノート』『終活』という言葉も定着、あと葬式映画も流行っている。近代化とは、社会の外に『死』を遠ざけることでした。でも、その『死』が消費社会の先端になりつつある。彼女の現在の人気は、こうした状況も少なからず反映しているでしょう」

 また、壇蜜には“悲哀”がある。

「日本ではなぜか墓地の隣にラブホテルができる例が多いんです。『死』と『エロ』がモチーフの壇蜜さんはその感覚に近い。僕らの感情が揺さぶられるのも当然ですよね。死とエロは、究極の身体性。その両方を持つのが壇蜜なんです」

【速水健朗氏】
’73年生まれ。ジャーナリスト。パソコン雑誌の編集を経て、現在フリーランスとして雑誌や書籍の企画、編集、執筆を行う。著書に『自分探しが止まらない』(ソフトバンク新書)などがある

― 壇蜜がブレイクした本当の理由【4】 ―

自分探しが止まらない

夢を追っているうちに「自分探し」の落とし穴へ転落しないための社会の歩き方




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