恋愛・結婚

整形したいという彼女を止めたい【佐藤優の人生相談】

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆クワガタさん(ペンネーム) 会社員 29歳 男性

イメージ 水商売で働いている女性とお付き合いしているのですが、その彼女が口癖のように「整形したい」と言います。自分の鼻筋と歯並びの悪さが気になっているようです。歯の矯正はともかく、整形はやめてほしいと思ってます。一度整形したら歯止めが効かなくなると聞いたことがあるからです。当然、そのままでも可愛いのに、と言っても聞きません。さらに、「整形も矯正も変わらないじゃん」と言われると言い返せなくなります。どのように説得したらいいでしょうか? アドバイスをお願いします。

◆佐藤優の回答

 まず、認識しておかなくてはならないのが、彼女に「整形をやめさせたい」というのがあなたのエゴにすぎないということです。人間には幸福追求権があります。ほかの誰かが愚かなことだと思っても、本人が幸福だと思うならば、それを禁止することは原則として他者にはできません。

「原則として」という留保がつくのは、例外的に幸福追求権が制限される場合があるからです。それは、他者に危害を加える場合、もしくは危害を加える可能性が高い場合です。例えば「なりすましメールでテロを予告して、世の中が騒ぐ様子を見るのが快感だ」と主張しても、幸福追求権として認められません。社会となりすまされた人に危害を加える行為だからです。また、「シャブ(覚醒剤)を打つと気持ちがいいの。特にセックスのときの気分が最高。それで私の身体と頭がボロボロになっても構わない」と考える人がいても認められません。なぜなら、覚醒剤を使用することによって、幻覚や妄想が起き、他者に危害を加える可能性があるからです。

 さらに「整形も矯正も変わらないじゃん」という彼女の理屈は筋が通っています。「整形をしてほしくない」というあなたの希望は、近代資本主義社会の掟に反し、かつ理屈でも勝てません。

 ただし、私はどのような相談であっても、常に相談者の側に立ちます。そこで、彼女に整形をやめさせる手段を考えてみましょう。まず、なぜ彼女は整形を必要としているのでしょうか。彼女は水商売で働いています。そこでは「美しさ」が商品になります。「一度整形したら歯止めが利かなくなる」というのも、「美しさ」が商品になる職場にいる限り、商品価値を常に向上させていくということなので、合目的的です。それですから、彼女がとりあえずプチ整形でスタートしたとしても、肌にメスを入れる本格的な整形に進むのは時間の問題だと思います。

 もっとも東京の銀座や赤坂の高級クラブでは、「美しさ」だけでは商売になりません。率直に言って、あまり「美しい」という感じではなく、整形と無縁でも、結構稼いでいるママさんやチーママさんがいます。そういう人たちは、お客さんと巧みに知的な会話をします。ママさんやチーママさんは、『日本経済新聞』や『週刊東洋経済』などを実によく読んでいます。あなたが銀座か赤坂に彼女の転職先を見つけ、「整形よりも日経新聞を読んだほうが稼ぎになる」と説得することを試みてみましょう。もっとも転職後、彼女の男への趣味が変わり、あなたとの関係が切れてしまうリスクがあります。あるいは、「俺と結婚しよう。それだから、理屈じゃなくて、整形はやめてくれ。とにかく今のままの君でいてほしい」とお願いすることです。相手からドン引きされ、逃げられるリスクもありますが、どうしても整形を阻止したいならば、これくらいしか手はないと思います。私ならば、相手の自由意思に委ねます。

【今回の教訓】
整形をやめさせたいのは、あなたのエゴです

◆募集
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。
⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form

【佐藤優】
1960年生まれ。1985年に外務省入省。在英、在ロシア連邦大使館、国際情報局分析第一課で活躍。2002年に背任の容疑で逮捕。『インテリジェンス人生相談』個人・社会編に続く第3弾、新刊『インテリジェンス人生相談<復興編>』が発売中!

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ボトックス、ヒアルロン酸注射、メスを入れるリフトアップ手術……。著者の数々の整形体験を写真付きで綴った整形日記。“主治医”との対談なども収録。'03年刊

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