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YouTubeでNFLと1.5億円で契約!アラサーキッカーの離れ業

 全米ナンバーワンの人気を誇るNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)に、前代未聞の異色アスリートが誕生した。彼の名はハーバード・ルグランド(28歳)。自らのキック技術を集約したYouTubeのビデオが関係者の目に止まり、なんと先週、古豪デトロイト・ライオンズと3年148.5万ドル(約1.47億円)で契約したのだ。  ドラマのようなこの話は、昨年10月、1本の投稿動画からはじまった。  ファン待望のフットボールシーズン開幕直後の10月上旬、スポーツ専門チャンネルのESPNは、番組公式ツイッターでこんなつぶやきとともに1本の動画ビデオを紹介した。 ●ESPNのツイッター (@espn) 2012年10月11日より 「Dear NFL Teams: If you need a kicker, you might want to take a look at this guy」(親愛なるNFLチームの皆さん:キッカーをお探しなら、彼をチェックしてみてはいかがですか?) https://twitter.com/espn/status/256432657477545986  是非とも一度ご覧いただきたいハーバードの動画は、4分ジャストと閲覧に丁度よいサイズにまとめられている。躍動感あふれる音楽に乗って次々と繰り出されるハーバードのキックは、とにかく正確のひと言。さらに親しみを覚えるのは、ハーバードの体型だ。ずんぐりむっくりの彼の容姿はお世辞にもスポーツで鍛え抜かれたマッチョとは言えず、どこにでもいそうな“アラサー男子”そのものだ。 ⇒【動画】はコチラ https://nikkan-spa.jp/424281
 最初のツイートから数日間は、動画を見たファンと本人との間で「この動画はリアルか?」(ファン)「もちろんホンモノです」(本人)「この男ならNFL32球団のどこかと契約できるのでは?」(ファン)「ありがとう!そうなれば嬉しいです」(本人)など、微笑ましいやり取りが続いていた。  にわかに周囲が慌ただしくなったのは、昨年末あたりから。噂を聞きつけたBBC、NBC、CNNなど全米各局が彼のインタビューを放映すると、それまでは数十万PVだった動画が瞬く間に100万PVを突破。前後してクリーブランド・ブラウンズ、ニューヨーク・ジェッツの2球団が、トライアウトや練習会に彼を呼び寄せたのだ。  残念ながら契約には至らなかったものの、潜在能力の高さは一目瞭然だったようで、その後ハーバードはサンディエゴに拠点を移し、NFLの元キッカーのマイケル・ハステッド氏からマンツーマン指導を受け、わずか数か月の特訓で見事、ライオンズとの契約に合意したのだ。  さらに驚いたのは、ハーバードがNFLとは縁の薄いノルウェー人ということ。実際、彼のツイッターの半分は、われわれ日本人には解読不能なノルウェー語と思しき表記が並んでいる。学生時代はサッカーを楽しむ程度だったというハーバードは190cmの長身。現在は9月に開幕を迎えるNFLシーズンに向け、トレーニングを重ねている。  ライオンズは10日前、NFLで21年間キッカーを務めた大ベテランのジェイソン・ハンソンの引退を発表したばかり。ハーバードは新天地NFLの世界で、キッカーの座をデビッド・エイカーズ(前サンフランシスコ49ers)と競い合うこととなる。  芸能や音楽の分野ではこの手の人材発掘は珍しくないが、ついにスポーツ界にもセルフ・プロモーションの新時代がやって来たと言えるだろう。日刊SPA!では今後もこの異色ルーキーの動向を追って行きます! ●ハーバード・ルグランド Twitter:https://twitter.com/MrRugland <取材・文/スポーツカルチャー研究所> http://www.facebook.com/SportsCultureLab 海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当
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