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フリーメイソンに入りたがる男たち

フリーメイソンのシンボル

フリーメイソンのシンボルとして有名なピラミッドと目

 ダン・ブラウンの小説や都市伝説ブームのおかげで、すっかり一般人にも認知されるようになったフリーメイソン。特に日本では「世界を裏から操る秘密結社」というオカルティックなイメージで語られることが多いが、「俺もそんな組織に属してみたい」という男たちが増えているようだ。 「最近、僕の友人が立て続けに2人も『フリーメイソンに入りたい』って言い出したんですよ」と語るのはライターのA氏。 「一人はフリーランスで仕事をしているBってヤツなんですけど、最近仕事がうまくいってないみたいなんですよ。で、ちょっと悩んでいるみたいで、酒飲んでいるときになんでかフリーメイソンの話になって。30分ぐらい熱っぽく語られたんですけど、それこそテレビの都市伝説番組で語られているような、僕でも聞いたことのある話ばかり。で、『結局、フリーメイソンが世の中の要を握っているんでしょ。だったらそこに入れれば絶対に食いっぱぐれることないじゃん。あー、フリーメイソンに入りてー』ですって。なんか公務員になりたい、ぐらいのテンションで語っていましたよ」  「生活の安定」の代名詞として名前が挙げられるようになるとは、フリーメイソンもずいぶんライトな存在になったものだ。 「もう一人はもうちょっとマジメ(!?)にフリーメイソンに入りたがっているみたいなんですけど、経営者のCさんって人なんです。Cさんは経営者によくいるように幕末の志士が好きなんですよね。で、トーマス・グラバーがフリーメイソンで、坂本龍馬を操っていたらしい、みたいな話からフリーメイソンに興味を持ったみたいで。で、よく『世の中を回す側の人間になりたい』みたいなことを語っているタイプだったんですけど、この間会ったときに、本当に意味わかないんですけど、『世の中を回すには政治家になるしかないと思っていたけど、間違っていた。フリーメイソンに入らないと世の中回せないんだよ』とか語りだしちゃって。彼は実際にフリーメイソンの本部みたいなところ(日本グランドロッジのことと思われる)に行って、入会するにはどうすればいいか聞いてきたみたいですよ」  さて、このような男たちの憧れになるほど一般化したフリーメイソンの存在。実際に「ダヴィンチ・コード』のヒット以来、入会希望者からの問い合わせが増えているそうだが、日本人の会員数は300人程度とのこと。入会の条件としては、なんらかの宗教を信仰している成人男性で、定職と一定の収入があり家族を養っていることなどがあり、ロッジ(フリーメイソンの支部みたいなもの)のメンバーの投票で全会一致で承認される必要がある。入会金は6万円程度で、月々数千円の会費が必要らしい。  だが、実態としては社交クラブみたいなもので、数年前の新聞記事によると「人脈作りを期待したり、秘密結社という想像を膨らませたりして入って、期待と違うとやめていく人が多い」とのこと。BさんやCさんのように「生活が安定する」とか「世の中を回す」とかを期待して入会したらがっかりすることだろう。まあ、そもそも生活が安定していなければ入会も不可能だろうけど。 取材・文/日刊SPA!取材班
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