カネが潤沢にある東京、次の都知事に佐藤優が期待するのは「貧困撲滅」
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆舛添都知事は世界に恥を晒したと思います
金杉和彦さん 会社員 男性 53歳
舛添都知事の「政治とカネ」をめぐる疑惑のテンコ盛り報道、正直言ってムカつきます。面白おかしく騒ぎ立てているだけで、そのあとはまったく考えていないように思えます。
与党内にも今辞めさせて、4 年後にまた東京でオリンピックを開催する頃に都知事選挙をやるのはマズイというお偉方の私利私欲が働いていたようです。民間企業ならば間違いなくすぐに辞めさせられていたでしょう。
結局、額に汗して納めている税金は泡銭と本人は思っていたのでしょうか? こんな人が首都東京の顔で居続けたら、4年後の東京五輪に向けて世界に恥を晒すことになっていたと思えて仕方がありません。
◆佐藤優の回答
遂に6月21日に、舛添要一東京都知事が辞任することになりました。しかし、6月10日の定例会見で舛添氏は、〈政治資金や公用車の公私混同疑惑をめぐり、都議会や世論調査などで辞職を求める声が強まっていることについて、反省の意を示したうえで「なんとしても仕事がしたい。死んでも死にきれない。都民に伏してお願いしたい」と述べ、改めて続投の意思を明らかに〉(6月11日「朝日新聞」朝刊)していました。
「死んでも死にきれない」とまで言っているわけですから、どれだけ非難されても、知事を辞める気はなかったということです。この時点では、そのうち都議会を解散すると脅すことを舛添氏は考えていたと思います。そうすれば、都議会も静かになると誤算したのでしょう。
仮に都議会を解散しても、選挙後の新たな構成による都議会で、舛添知事の不信任決議が採択されれば、舛添氏は知事の身分を失います。都議会を解散しても、生き延びることはできないという判断を舛添氏がしたのでしょう。
もっとも知事を辞任すれば、それで済むというわけではありません。今度は「鬼の特捜」(東京地方検察庁特別捜査部)が舛添氏を呼び出し、徹底的に調べるでしょう。
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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