「Fランク校」のレッテル貼りは小学校から始まっている
もはやド底辺校の代名詞となった「Fランク」なるレッテル。
高等教育であるはずの大学を出ても、下手をすれば掛け算すらまともに出来ない実態は笑いのネタにすらなっているが、その現実は格差や階層を固定化するかのような存在になっている。そしてFランクという格付けの縛りは、すでにもっと早い段階から始まっている。
◆小→中→高→大と続くFの無限スパイラル
「Fランクのレッテル貼りは、小学校にまで広がっています」
そう語るのは都内で進学塾を経営する桜井順次氏(仮名)だ。
「いじめで自殺者が出てしまったり、学級崩壊が起きている小学校の情報について、私立中学校は詳しく把握して小学校名で志願者を落とすこともあります。イジメを起こす生徒や、イジメを見て見ぬ振りする生徒の入学は避けたいのが本音なのです」
こうしたレッテル貼りは上位校ではなく、特に中堅私立中学によく見られるという。発覚した問題の収集だけではなく、細部にまで踏み込んで情報収集することもあるという。
「●●小学校は給食費の滞納が多い、△△地区周辺は生活保護家庭が多い、□□小学校の5年生はモンスターペアレントの突き上げを食らって宿題をなくしたなど、小学校や塾の先生などから情報を集め、受験する生徒の判断基準に使っている私立中学もあります」
こうしたFランク認定されるのには、学校側の無気力も大きく影響していると桜井氏は指摘する。
「以前、Fランク認定されていると噂される小学校にお子さんを通わせていたお母さんが、学校側が授業妨害する生徒を放置して学級崩壊状態になったことに怒り、担任に『改善されないなら転校を検討する!』と啖呵を切ったところ、『それがいいと思います』と返されたケースもあったと言います。さすがに呆れましたね」
Fランクが次のFランクを導く「Fの無限スパイラル」。広がり固定化されていく格差に抗う最善策はあるのだろうか。
週刊SPA!2月4日発売号「Fランク校格差固定化の実態」では、やる気のない生徒、学費と補助金だけ貰えればいい学校、怠慢な教師が生み出すFランク校の実態を探るとともに、その中でも夢や目標を実現しようと奮闘する生徒や教師というポジティブな側面もリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

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