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野菜窃盗団が畑を襲撃。その手口とは?

ここ数年、農家から野菜が消える被害が後を絶たない。取材を進めると暴力団、半グレ、一部の不良中国人が関係していることが判明した。

⇒【前回】「日本の農家から盗まれた野菜が中国に流れている」
http://nikkan-spa.jp/613050


◆複数人で下見を行い、畑を離れる時間に襲撃

野菜,窃盗,反社 取材班は、この窃盗団の一員に接触することができた。野菜の窃盗は、一体どのような手口で行われるのであろうか? まず、農家の大根50本という被害(http://nikkan-spa.jp/613049)は大した数でないように思えるが、彼によると「窃盗団の典型的な手口」と話す。

「窃盗団はいろいろな畑を巡回して小分けにして盗っていく。1シーズンに複数回、そして道路に面したところを狙うのも基本」

 犯行のスターティングはこうだ。

「まず、農家別に収穫の時間を把握します。もちろん同じ人間で下見はせず、人を代えて何度も行く」

 下見で時間と人を使えば赤字になるように思えるが、「下見は別の窃盗をして野菜を車から下ろした後に各部隊で行うので、そこまで時間はかからない。ボスが目星をつけていてくれるので自分たちは回るだけです」という。

 犯行は農家の収穫の1時間前には全てが終わるように済ませる。

「育てるものによって収穫時間は違いますが、下見でその時間帯はわかっているので、素早く簡単にやる。もちろん全部盗っていると捕まる可能性が出てくるので、手短にね」

 農家の収穫時間は物によって夕方、夜中、朝方とまちまちだが、そこは下見をターゲットの農家ごとに進め、全てを盗むのではなく可能な限りの量で迅速に進めるのだという。

「同じ農家には、期間を空けて作物が替わる時期まで待つ」

 そして恐ろしいことに、農家には必ずと言っていいほど畑を空ける時間があることも彼らは把握している。

「収穫時間が夜中の農家はあまり関係ないですが、大体午後3時から5時などの夕食の時間が狙い時ですね。昼食は弁当を持参していますが、ほとんどの農家が夕食は自宅に帰ってするので」

 そして密輸の際は、高級食材などを輸出する貨物船の側面の空洞部分を利用し詰め込む。

「この手口は覚醒剤の密輸などでも使われるのですが、詰め込んだ後は切り抜いた部分を溶接し、違和感のないように汚れの部分までエアブラシで再現してもらいます。闇金の債務者とか、使えるヤツはいくらでもいますんで」

 だが、そこまでして利益があがるのだろうか? しかし日本食材は高級食材と同じく、野菜も2~3倍で売買されるのだという。

「最近は中国の水も悪いからか、メロン、スイカ、レタス、キュウリなど水分の多く含まれたものが人気みたいです」

 作物の窃盗はもちろん犯罪であるうえに、農家の労力を愚弄する行為である。野菜泥棒の正体と手口が明らかになった今、撲滅が進むことを期待したい。

◆近年の野菜盗難事例

<2013.11.16>
愛知県東浦町内の畑で中国籍の男2人が白菜2玉とキャベツ4玉、レタス4玉を窃盗。周辺で野菜の盗難が続いており、警戒中の署員が畑に入る2人を発見し現行犯逮捕

<2013通年>
北海道余市町内で、トマトやリンゴなどの収穫期に農産物の盗難が多発。毎年5~6件発生しているが被害届を出さない農家も多く、同町警察は「実態はもっと被害が多い」としている

取材・文・撮影/卯月雅之 松永達也
― 組織的[野菜泥棒]が全国で暗躍中【3】 ―




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