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iPhone1台で愛人契約が成立!中国のアップル人気は最高潮に

7月、雲南省昆明市の「偽アップルストア」が世界的なニュースとなったのは記憶に新しい。海外メディアの報道を受け、市内計5か所の偽ストアを摘発し、一件落着したかに見えた。

しかし、昆明市から約800km離れた四川省成都市で、多くの偽ストアが堂々と営業していた。情報を聞きつけ、現地へと向かうと、繁華街でいとも簡単に「Apple Store」と掲げた店舗が見つかった。中に入ると、本家と同じ青いTシャツの店員たちがいるではないか。ここで我々は女性店員に「ここは本物のアップルストア?」と尋ねてみた。すると、「当然です」と、世界的企業で働くことの誇りさえ漂う口調で即答されたのだった。

⇒中国の偽アップルストアの店内写真はこちら
http://nikkan-spa.jp/53539

◆iPhone1台で愛人になるホステス

シール貼りのおじさん

店の前にいた液晶保護シールを貼ってくれるおじさん。料金は200円でした

店内には、iPhoneからiPad、Macなど正規品が並んでおり、本家同様、商品は自由に触ることができる。が、店内は暇な老人や子供たちで満席状態。皆iPadで中国将棋やお絵描きに興じている。アップルストアというより、無料ゲームセンターである。一方でアンドロイド携帯や、流行中の羽根なし扇風機も売るという節操のなさ。本家が知ったら、怒り心頭になるだろう。

この店のほかにも、徒歩15分圏内に3軒の偽アップルストアを発見することができた。周辺には液晶保護シール貼りのおじさんやケース専門屋台などもたくさんある。iPhoneは、さまざまな副次産業も生んでいるのだ。

こうした模倣行為を下支えしているのは、人民たちの間で高まるアップル人気にほかならない。例えばiPad2の購入資金を得るため、26万円で腎臓を売った17歳の少年の騒動や、「iPhone4を買ってくれたら処女をあげる」と援交募集した少女の件など、行きすぎたアップル人気の例として国内外のメディアで大きく取り上げられた。

取材中、そんなアップル人気を肌で感じた。夜の街で繁華街を行き交う小姐(ホステス)たちが、皆iPhoneを持っていたからだ。中国の物価水準からすれば、まだまだ高価なはず。一般的な新卒サラリーマンの1か月分の給料なのだ。そんな携帯を、20歳そこそこのコが当たり前のように持っている様は異様ですらあった。

こうした現象について、広東省在住のある駐在員はこう解説してくれた。

「今、iPhoneを愛人契約の対価として小姐に渡すことが流行している。例えばiPhone1台で1か月ヤリ放題とか(笑)」

iPhoneにこんな使い方があるとはジョブズもびっくりだろう。中国におけるアップル人気について、携帯事情に詳しいジャーナリストの山根康宏氏はこう語る。

「中国国内ではiPhoneの供給が需要に追いついていないんです。中国では携帯はSIMフリーで事業者から売られていますが、iPhoneに限っていえば、チャイナユニコムが2年分の通信料をあらかじめチャージしたSIMカードと抱き合わせで販売している。この付属のSIMカードは1か月以上、端末から抜いた状態でいると失効する仕組みになっていて、転売することが困難になっている。そのため、転売市場でも品薄状態が続いている。そんな希少性がさらに付加価値となり、購買力と見栄の強い中国人には、ますます喉から手が出るほど欲しいアイテムになっています」

かつて、アップル製品を生産するだけで、誰も購入できなかった中国。そんな国でアップルフィーバーが起きているとは……。それはよくも悪くも、世界の工場から世界の市場へと変わりつつある現代中国を如実に投影しているのかもしれない。

山根康宏氏【山根康宏氏】
香港在住の携帯ジャーナリスト。携帯電話業界の最新事情を発信中。著書に『iPhoneが日本に上陸する日』(技術評論社)など多数。
HPはwww.yamane.hk

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