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西村主審のジャッジ経験者「身体に触れただけでファウルにされた」

 いよいよはじまったサッカーワールドカップ。史上初めて開幕戦の主審を日本人が務めることも話題となったが、その結果は散々なものだった。微妙なPK判定や幻のゴールで批判の矢面に立たされたのは西村雄一氏。開幕前は毅然としたジャッジばかりが取り上げられていた西村氏だが、選手に「死ね」と暴言を吐くなど、実はかなりの問題人物であることはあまり知られていない。

◆いつの間にか風化した暴言事件

FIFA公式サイト

FIFA公式サイトより

“暴言事件”が起きたのは2008年JリーグのFC東京対大分戦。試合中判定に異議を唱えた選手に対して、西村主審は「うるさい!お前は黙ってプレーしておけ。死ね!」と言ったという。試合後、侮辱的な言葉を浴びせられた選手が食い下がると「お前は黙っとけ!イエローカードを出すぞ!」と恫喝。両チームから複数の選手が証言するなど大騒ぎになったのだが、結局選手の聞こえ間違いだろうと、うやむやになってしまった。

 2005年の東アジア選手権や2008年のJリーグでも、ファウルをした選手を間違えて別の選手を退場させるなど、決してメディアが伝えるような聖人君子ではなかった西村主審。こうした“前科”があることから、今回の騒動を試合前から予想していたサポーターも少なくない。

「テレビでベタ褒めされてるのを観て、かなり違和感があった。普段目の前で見てる限りじゃ大した審判じゃないし、変にノリはじめると手当り次第に笛を吹くイメージが強かったから」(FC東京サポーター)

 誤審や疑惑の判定をする度に“祭り状態”になっていた西村主審。サポーターから特に多く聞かれたのはフィジカルコンタクトに厳しいという声だ。

「開幕戦のPKを観て思ったのは、『ああやっぱり』って感じ。Jリーグでも試合中、急に厳しくなってピーピー吹きだしたりしてたから。逆に“安定”してるというか、期待を裏切らないというか(苦笑)」(名古屋グランパスサポーター)

 普段Jリーグを観ているサポーターにとってみれば、今回の騒動は驚きではなく、“必然”だったのだ。

◆身体が触れただけで笛を吹かれてしまう

 では、実際プレーする選手はどういう印象を持っているのだろう? 匿名を条件に、実際西村主審が裁いた試合に出場したことのある選手に話を聞くことができた。

「こっちがボールにいってるクリーンなタックルをしても、ことごとくファウルにされて全く試合にならなかった。ディフェンスなんて身体張ってなんぼなのに、触れたらファウルじゃどうしようもないでしょ。あとホーム有利な笛を吹く傾向があるのは間違いないね。国際大会で吹いてるから天狗になってんじゃないかな。『審判が絶対』ってのを勘違いしてる」

 一方では、「試合前に声かけると気さくに返事とか挨拶してくれるし、人としては悪くない」(松本山雅FCサポーター)と擁護する声もあった。

 過去にも日韓W杯でイタリアを葬り去ったバイロン・モレノや、EURO2008でポーランド首相から「誰かを殺したい」と暗に批判されたハワード・ウェブなど、問題となった審判は多くいる。しかし、彼らがいなければ試合はできないのも事実。たったひとつのミスで、世界中から“ジャッジ”されてしまうとはなんとも因果な商売だが、それでもピッチに立つ勇気は認められるべきだろう。果たして次の試合ではどんな笛を吹くのか? 批判を乗り越えた西村主審の姿に期待したい。 <取材・文/林バウツキ泰人>




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