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“ナンパの名所”が廃れた要因は「国の規制」と「分相応の価値観」

’80年代~’00年代にかけて、ナンパ師が日夜あの手この手で女のコを引っかけるナンパの“聖地”がいくつもあった。そんな聖地も今では衰退の一途をたどっている(https://nikkan-spa.jp/709020◆ナンパスポット衰退は「分相応」の価値観が原因
山田ゴメス氏

山田ゴメス氏

 ナンパの栄枯盛衰を見てきた男たちはナンパスポットの衰退をどう見るのか。ナンパカルチャーに詳しい山田ゴメス氏に話を聞いた。 「欧米のフランクさやレディファーストに、ヤンキーの度胸試しが加わったのが日本のナンパなんです。女のコにどれだけ声をかけられるかっていうのを仲間内で楽しむある種のチキンレースですね」  また、経済が上向きで人々のテンションが高かった時代、女性を口説き落とすのは男性にとってのステータスの一つであった。  ところが、経済が落ち着いた昨今、自分はこのレベルで十分という“分相応”の価値観が蔓延し、ナンパをすることの意義そのものが失われてしまったという。 「婚活パーティとか出会い系サイトって言ってみれば、人にセッティングしてもらったナンパですよね。プロフィールを見て自分に合った人に声をかけるのが今の主流。あえて街に出てナンパするよりよっぽど効率がいいし、断られて傷つく確率も減るからラクなんですよ」
尾谷幸憲氏

尾谷幸憲氏

 一方、ユースカルチャーに詳しい尾谷幸憲氏はナンパスポット衰退の陰に国の規制があったと指摘する。 「’80~’90年代を境に道交法が厳しくなったんですよ。飲酒運転は厳罰化し、路駐もダメ。これがきっかけで車ナンパは衰退していきました」  街に出たら出たで、今度は迷惑防止条例にぶち当たる。 「’90年代はAVやキャバ嬢のスカウトマンが街に溢れてた時代で、それがひどくなって迷惑防止条例というのができたんですね。ナンパしようにも、女のコは警戒するから、てんでダメなわけです」  こうした国の政策が若者の文化を潰していると憂う尾谷氏だが、新たなナンパブームが生まれる可能性も示唆する。 「渋谷とか六本木みたいな繁華街にパワーがなくなった今、浅草とか蔵前の下町方面に若者が集まってます。またはここ数年でスターダムにのし上がったオタク文化。ここから新しい“ナンパの名所”が生まれるのではと睨んでます」  潰れてもどんどん新しいものが生まれるのが若者文化。果たして次なる“ナンパの聖地”はどこになるのだろうか? 【山田ゴメス氏】 エロからファッションまで幅広く活躍するライター&イラストレーター。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社) 【尾谷幸憲氏】 文筆家。著書に『ラブリバ♂編』(ゴマブックス)、『J-POPリパック白書』(徳間書店)、『ヤリチン専門学校』(講談社)などがある 取材・文/SPA!ナンパ今昔物語調査班 ― ’80年代~’00年代、あの[ナンパスポット]の今【8】 ―
「若い人と話が合わない」と思ったら読む本

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