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神出鬼没!ドSでイタズラ好き、日本で大暴れした“宇宙人”【日米野球2014】

メジャーリーガーとともに来日したオービット

メジャーリーガーとともに来日したオービット

 日本で最近、このキャラに遭遇した人は結構いるのではないだろうか。  先週末は、渋谷のスクランブル交差点に仁王立ちしたり、109の入口の陰に隠れて立ったりしては、通行人を驚かせていたとか。  このムクムクした緑色のキャラの名前はオービット。グランドスラム銀河系から来た“宇宙人”でE.T.とは個人的に友だちなのだそう(本人プロフィールより)。ともあれ、日米野球で大リーガーと一緒に来日した、れっきとした球団公認マスコットだ。所属はヒューストン・アストロズ。低迷(再建)中のチームだが、ホーム球場にはオービットに会うために足を運ぶファンも少なくない。  オービットは、その風貌からは想像もつかないキレのあるダンスを披露したり、ファンと戯れたりするなど、人気マスコットがすることをきっちり押さえているだけでなく、イタズラ好きのドSキャラ。選手やスタッフ、ファンなどあらゆる人をイジっては、球場の内外で人々を爆笑の渦に巻き込んでいる。  日米野球でも多芸多才のキャラをいかんなく発揮。球場ではもちろんのこと、京都の観光名所や、渋谷といった賑やかな場所にも神出鬼没、街中の人をも楽しませているのだ。 ◆マイケル・ジャクソンに扮し、審判までもが…!  東京ドームでの第3戦では、「セブンス・イニング・ストレッチ(7回に行われる余興)」時に、マイケル・ジャクソンの衣装に扮して登場。名曲「ビリー・ジーン」の音楽にあわせて、マイケルさながらのキレッキレのダンスを披露した。ちなみに、衣装もマイケルよろしくキラキラ光る黒ジャケット、黒の中折れ帽、片手だけ白手袋という芸の細かさ! パフォーマンスがドーム中を湧かせたことは言うまでもない。  翌日の第4戦では、塁審がいきなりオービット得意の腹這いダンスを真似して挑発。最後は開脚ポーズも決めて場内を湧かせた。実はこれ、いわゆる鉄板ネタ。審判やグラウンドキーパーなどに扮したパフォーマーが、突然ものすごいダンスをしてファンを驚かせるというメジャーではお馴染みのドッキリネタだ。いきなり踊り出した“審判”には、腕組みしていた日本代表の小久保監督も白い歯をこぼして大笑いした。 ⇒【動画】http://m.mlb.com/video/topic/21753540/v36932461得意の選手イジりでマエケンらに迫る  選手たちのウォームアップを邪魔するのもオービットの“得意技”。ファンが見ているなか、次々とあの手この手で大リーガーの気を引こうとするのだ。日米野球では、侍ジャパンの投手らにボールを転がして、「投げてこい!」とアピール。マエケンが投げると、ボールを顔面でキャッチして、選手やファンを笑わせた。 ⇒【動画】http://m.mlb.com/video/v36933573/?mlbtax=mascot  日本ではほっこりと笑いを取っているが、母国アメリカではもっとアグレッシブだ。チームを勝たせたいがためか、ウケ狙いか、オービットは相手チームの主砲や好調な選手を邪魔しに行くことが多い。ムネリンこと川崎宗則が所属したブルージェイズでは、今季158安打・35本塁打・103打点のホセ・バウティスタに、「人形遊び」で妨害。上原浩治所属のレッドソックス相手には、シルバースラッガー賞6度受賞のデイビッド・オーティズがネクストバッターズサークルにいるところを、ネット越しに挑発。真剣勝負の試合中でもお構いなしの妨害策に出て、話題となった。 ◆ダルの女房役を執拗にいじる  今季、特に狙われたのはダルビッシュ有の女房役として知られるJ.P.アレンシビア。打席を待っている間、オービットがお尻を突き出して振ってみたり、あることないことをサインボードに掲げては、アレンシビアを妨害した。  また今夏、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) を支援するために始まったアイス・バケツ・チャレンジでもオービットはアレンシビアを指名。レンジャーズのマスコットをけしかけて、無理矢理に氷水を浴びせた。ほかにも、勝手にチアリーダーの女装写真を合成して作るなど、執拗にいじり倒したオービット。さすがのアレンシビアもこれには抱腹絶倒で、最後は自らサインして和解(?)に至っている。 ⇒【動画】オービットとアレンシビアに因縁勃発!? (MLB.JP) http://gyao.yahoo.co.jp/player/00994/v00124/v0000000000000013821/ ⇒【動画】爆笑コラージュでアレンシビアとオービットが和解!? (MLB.JP) http://gyao.yahoo.co.jp/player/00994/v00124/v0000000000000013928/ ◆孤軍奮闘。ムネリンが獲得した賞にノミネート  低迷(再建)中のチームを盛り上げるべく奮闘したオービットは、今季の“孤軍奮闘”が認められてGIBBY賞の話題賞にノミネートされている。GIBBY賞とはその年に最も素晴らしい活躍をした選手や監督、関係者などに贈られる賞で、ファンや元選手、関係者やメディアの投票で選出される。  ちなみに、選ばれたカテゴリーは去年ムネリンが獲得した「Cut4 Topic(話題賞)」。今季引退したデレク・ジーターを引き継ぐ「大リーグの顔」とも言われるエンゼルスのマイク・トラウトを、魚のトラウトと見なし練習中に釣り竿で釣ろうとしたシーンが選ばれた。受賞を目指すオービットは、ツイッターで「投票してね」と呼びかけている。  日本での珍道中の様子も写真や動画でアップ。オービットのツイッターは下記。 https://twitter.com/orbitastros  今回の来日で、オービットは阪神タイガースのトラッキーや読売ジャイアンツのジャビットとも友だちになったとか。大リーグでも90年代からマスコットは一気に増え始め、今ではマスコットのいない球団はヤンキース、ドジャース、エンゼルスの3チームだけ。マスコットの数も増え、各チームさまざまな楽しみをファンに提供している。エンタメ大国アメリカの仕掛ける愉快な名脇役、マスコットの活躍にもぜひ注目してみてほしい。 <取材・文/松山ようこ(スポカルラボ)> http://www.facebook.com/SportsCultureLab スポーツをカルチャーとして表現するメディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。
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