バラエティ番組の裏側…「着ぐるみバイト」で採用される条件とは?
―[[ナゾな求人]に応募してみた]―
大々的に募集はかけていないものの、その業界の人からふと降ってくる求人がある。
記者は、某キー局の人気バラエティ番組で、画面端で微かに揺れながら地味に手をバタつかせる番組のマスコットキャラクターの“中”に入るバイトをゲット。
文字通り「中の人」だ。レアな仕事を探し、声を掛けまくっていたところ、テレビ関係者の知人から突然、「身長160cm以下ですか?」というメールが届き、158cmですと返信したところ、このバイトを紹介された。なぜ160cm以下かというと、キャラクターの身長が160cmのためだとのちに知る。
翌日、テレビ局へ行き、プロデューサーに挨拶。履歴書も身分証も不要だったが、事実上これが面接だ。初っ端「アイドル興味ある?」と聞かれ、どう答えるのが正解か迷ったが、「特にないです」と率直に返答。「じゃあ、来週から来てください」とその場で採用が決まった。なんでも、AKB48やジャニーズなどアイドルがゲスト出演する際、興奮して抱きつかれたりすると困るとのこと。もし「好きです」と答えていたら不採用だったのだろうか……。
収録は隔週月曜日、朝10時から夜8時まで。10時間拘束で日給1万円。出番はリハーサルと本番の計2回なので、実働1時間半。空き時間は完全に自由。仕事内容は、スタジオのテープが張られた位置に立ち、手を上げたり下げたりするのみ。「できればちょっと横にも揺れてみて」と、要望は少ない。これで日給1万円はかなり割がいい。
しかし、難点もあった。着ぐるみと聞いてコスプレ衣装や全身タイツを着るものだとばかり思っていたが、実際は「着る」というより「持ち上げる」。160cm、20㎏の“巨体”を持ち上げ、その状態をキープする重労働だったのだ。中に入るのにも、スタッフ3人がかり。尋常じゃなく肩が凝り、バイト代は整体代で消えた……。
採用担当者によると一見、誰にでもできる仕事のようだが、適任者を探すのは大変らしい。
「テレビ局の着ぐるみバイト」と銘打った求人はあまり見かけないが、興味のある人は、テレビ番組制作会社が「番組制作スタッフ」として求人サイトで募集していることもあるのでまめにチェックしてみては。
― [ナゾな求人]に応募してみた ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ