2014年「笑えるノンフィクション本」大賞は、『愛しのインチキガチャガチャ大全』シリーズ
『季刊レポ』だ。
「〈泣ける本〉ばかりがもてはやされる風潮はいかがなものか――という思いから、2012年に『笑う本棚フェア』および『笑う本棚大賞』というのをやりました。今回はその第2弾として『笑う本棚2014』という特集を組み、19名の選者に86冊の〈笑える本〉を選んでもらっています」(北尾氏)
南伸坊、豊崎由美、平松洋子、杉江松恋、霞流一、宮田珠己、高野秀行、林雄司、グレゴリ青山……といった読書好きにはたまらないメンツが選んだ「笑える本」は、ジャンルや新旧を問わず多種多彩。そのなかから、前回の「笑う本棚大賞」以降に発刊されたもので、『季刊レポ』が提唱する「笑えるノンフィクション」に相当する本を候補作として、「笑う本棚大賞2014」が選定された。
その栄えある受賞作とは……
ワッキー貝山/集・池田浩明/著『愛しのインチキガチャガチャ大全 -コスモスのすべて-』&『素晴らしきインチキガチャガチャの世界 -コスモスよ永遠に-』(双葉社)!
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=770904
70年代後半~80年代の子供たちの心と財布を翻弄したガチャガチャメーカー「コスモス」。そのやっつけ感満載な商品を集め続けたワッキー貝山氏の10万点にも及ぶコレクションから厳選した逸品というか“駄品”をみっちり紹介したシリーズだ。
現在のクオリティの高いフィギュアとは違って想像力を総動員しないと何だかわからないキャラクター消しゴム、ただの樹脂のカタマリでしかない「月の石」、さらにはコーヒーやコーラをこぼしたかのように見える「しみ」と称する金属板まで、シュールすぎて腰が砕けそうな品が、これでもかと並ぶ。
「ワッキー貝山氏のマニア特有のこだわりとコンプリート欲が爆発しているばかりでなく、コスモスという常軌を逸したガチャガチャメーカーの元社員たちへのインタビューを敢行。とんでもないエピソードをこれでもかと引き出し、80年代の空気に肉薄している点が、そこらの蒐集本とは一味違う厚みにつながった。続編を含め、シリーズとしての魅力も備えている」とは北尾氏の選評。
そして、大晦日にはTBSラジオにて特別番組『おもしろ本No.1ここに決定!笑う本棚大賞2014』(夜9時~10時)も放送される。選考委員3名(北尾トロ、えのきどいちろう、新保信長各氏)にワッキー貝山、池田浩明両氏をゲストに迎え、授賞式&熱いガチャガチャトークが繰り広げられる模様。さらに北尾氏、えのきど氏がおすすめの笑える本を紹介するコーナーもあるとか(詳細は『季刊レポ』のウェブにて)。
今年もいろんなことがあったけど、「笑う本棚2014」特集と大晦日のラジオ特番で笑って年を越しちゃおう! <取材・文/日刊SPA!編集部>
年末になると、いろんな雑誌やウェブで、さまざまな本のベストテンが発表される。ジャンルごとに著名人のおすすめ本を紹介するような特集記事も多い。そんななか、ユニークな企画を展開しているのが、ライター・北尾トロ氏主宰の雑誌
『愛しのインチキガチャガチャ大全 -コスモスのすべて-』 ロッチのシールなど、著作権無視、パクリにコピー、雑なつくりのガチャガチャ製品を粗製乱造してきたメーカー、コスモス。70~80年代の子どもの心に突き刺さった、約1000点に及ぶインチキガチャガチャをここに開陳 |
『素晴らしきインチキガチャガチャの世界 -コスモスよ永遠に-』 前作を越える物量の写真と、門外不出の当時の社外マル秘資料、そして、元幹部が語る「ロッチ事件」の本当の黒幕。衝撃の、第二弾!! |
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