貯金・家族・年金なし、元ソープ嬢(70歳)の老後「クーラーくらい買うカネ残しとったらよかったわ…」
今、老後の貧困がクローズアップされている。国が発表する各種データからも、貧困の実態が如実に視覚化されつつある。「自分は関係ないと思っていても、突発的な要因により、一瞬で貧困に転げ落ちる可能性があるのが今の日本社会だ。「明日は我が身」と思って読んでほしい
◆魚屋の氷で涼を取る、元ソープ嬢の清掃員
福田民江さん(仮名70歳・女性)
※8/18発売発売の週刊SPA!では「ルポ 最貧困老人」という特集を掲載中
<取材・文/週刊SPA!編集部>
「毎日、朝から晩まで。土日働いても大したカネにはならへん。でも若い時分に遊び倒したさかいな。後悔? 全然ないわ(笑)」
全国有数のソープランド街・神戸福原で長年ソープ嬢として働いていた福田民江さんは今、築50年の木造アパートに住み、清掃員として毎日10時間労働をする日々を送っている。無年金で清掃の収入8万円だけで生活をしている。独身を貫いてきたので子供はいない。
「貯金? 全然あらへん。ソープで現役やってたときはサラリーマンの3倍くらい稼いでた。全部、男に貢いださかいな。せめてクーラーくらい買うカネ残しとったらよかったわ……」
今年は過去例を見ない猛暑だが、さすがに体がキツいそうだ。
「商店街に行ってな。旧知の魚屋に行って氷分けてもらうねん。魚の臭いが移らんようにビニール袋に入れて風呂につけとくんや。氷風呂やな。気持ちええで」
食費は月5000円と少ないが、ある秘策があった。
「ソープ時代の馴染み客に電話するんや。こう見えてもウチは女や。奢ってくれる男くらいおる!」
昼食は清掃会社から支給される500円の仕出し弁当。朝は120円で買った6枚切りの食パンを半分に分け、12日間で食べる。
「老後の不安? また太い客捕まえたら何とかなるんちゃうん。それまでの辛抱や!」
そう語る福田さんの後ろ姿はどこか寂しく見えた。
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