ドヤ顔で放射能情報を送ってくる人に困惑…
放射能に関して温度差があるのは仕方がないと思う。だが、震災以降、facebookやtwitterのなかで「知っておかないと、どんなことになるかわからないよ!」とばかりにドヤ顔で放射能情報をシェア、又はリツイートしてくる人が目立ってきている。
自分の足で得た情報というよりは、ネットで出回っている情報がほとんどなのだが、なかには暴力的にすら思える“上から目線”なものもあり、「この人、こんな人だったっけ?」と困惑することも。不確かな情報を「政府の発表しないリアルな情報」と認識し、不安を募らせ、こんな行動に走る友人・知人に困惑したことはないだろうか?
●Aさん(42歳・団体職員・男)の場合
奥さんと二人で東京→大阪に移住してしまった行動派。移住前に友人グループでご飯を食べに行ったところ、お店の人に「これはどこ産の野菜ですか?」「この貝はどこでとれたものですか?」など根掘り葉掘り聞いて、微妙な空気を作り出していた。しかも、一緒にご飯を食べていたメンバーに福島出身の人がいたにも関わらず「福島産の野菜はぜったいにあり得ないから、九州の農家から野菜を取り寄せてる」と言って場が静まり返ったことも。しかもmixiやfacebook上で「政府の情報は嘘だから、鵜呑みにしてるとトンでもない目に遭うよ! みんなも早く東京を離れたほうがいい。今回お世話になった大阪の不動産会社を紹介するよ」と余計なお節介を焼きたがる始末。「Aさんは自分さえ良ければよいって感じ。こんな目に遭いたくて遭ったわけではない福島の人の気持ちを逆撫でするようなことを言って、信じられない!」と、友人内の評価はダダ下がり。関西に移住したはいいけれど、そんな自己中な性格だと、人間関係に苦労するのでは? と勝手に心配してしまう。
●Bさん(29歳・メーカー勤務・女)の場合
「原発に関する都民投票しましたか? あなたの問題でもあるんですよ!
「やっぱり政府の情報って嘘ばっかり。事実を知ってて欲しいからシェアします!!
『都内在住の方からウラン・ジルコニウム・ストロンチウム検出情報』」
「皆さん、いいかげん現実に向き合いましょうよ! こんなに怖いことが起こっているんです!
『 南相馬の女性のブログをよんで!-gooブログ』 」
などと、facebookやtwitterを通じて熱心に啓蒙活動をしているBさん。「いいね!」も6~8件ついてはいるが、300人以上もいる友達もしくはフォロワーの数からしたら、かなり少ない数だ。
おしゃれ大好きで社交的。ただ今、絶賛婚カツ中のアラサー女性のBさんは何事にもエネルギッシュな美女だが、どちらかといえばファッションピープルな彼女が社会派の放射能問題にこんなに熱心になるとは、周囲の人間は思っていなかった。何が彼女を目覚めさせたのか? 合コンで知り合った男性にも放射能情報を送りつけているようなので、ドン引きする男性もいるという。
放射能に関する情報は、できるだけ知っておいた方がいいと思う。自分を取り巻く生活や将来のためにも。だが、ネットで得た情報を鵜呑みにするのは危険な側面が。しかも高圧的に情報共有しようとすると、現実の人間関係が微妙な感じになることをお忘れなく! <文/日刊SPA!編集部>
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ
日刊SPA!の人気連載