洞窟に1か月入りっぱなし…洞窟探検家・吉田勝次がラオスに世界最大級の洞窟を発見
タイの洞窟に13人の少年が閉じ込められた遭難事件。幸いにも13人は無事に救助されたが、あのとき各局のニュース番組で救助の方法などをコメントしていた洞窟の専門家・吉田勝次さんを「誰だろう?」と思っていた人も多いのではないか?
吉田さんは日本のみならず世界各地の洞窟を探検する、洞窟探検家だ。訪れた洞窟は1000を軽く越える。氷に閉ざされたオーストラリアの洞窟や、灼熱地獄だったイランの岩塩洞窟、400メートルの高さをロープ1本で下降するメキシコの洞窟などさまざまな洞窟を訪れている。中でも吉田さんがライフワークにしているのが、未踏洞窟の探検だ。
吉田さんが、未踏の洞窟があるだろうと昨今探検を続けていたのがラオス。ラオスの隣国ベトナムには、世界最大のソンドン洞窟がある。国境をはさんだラオスも広大な石灰岩の台地が広がり、地質が同じなので、巨大な洞窟があるのではないかと考えていたのだ。(蛇足だが、ベトナムで洞窟を探していたときに、吉田さんはベトナム国内初・アジア最大級の火山洞窟を発見し、現在ベトナム政府主導でジオパーク化が進んでいる)
そしてついに今年1月、ラオスで世界最大級の未踏洞窟を発見した。
ジャングルの中にある洞窟の入り口は広大な河だった。
「けっこう広い河なんですが、さかのぼっていくとドーンと石灰岩の壁がそびえ立っている。その壁に洞窟の入り口があって、船で入っていけるんですよ。洞窟の入り口くらいまでは村人も魚を取りに来るそうですが、入り口から1kmくらいさかのぼると上陸できる場所があって、そこから探検の始まりです。すごく大きな洞窟で、ほぼ1か月入りっぱなしでしたね」
なんと1か月間の探検!! さらに、今回の1か月の探検にはNHKの取材が同行していた。(※)
吉田さんが付き合いのあるディレクターに有望な洞窟に入ることを話したところ、密着が決定したのだという。
「いやー、大きい洞窟があるだろうとは思っていたんですが、未踏ですから入ってみないとわからないわけですよ。それなのにNHKが一緒に来ちゃって、ホントにすごい洞窟かどうか、実はヒヤヒヤしていました(笑)」
実際は、吉田さんの想像以上にスリリングかつ美しい洞窟だった。
すさまじい速さで流れる地下河川、高層ビルが入るほどの巨大空間、美しい鍾乳石の森、毒を持つ虫の出現など、大自然の神秘と恐ろしさをまざまざと感じたという。
「洞窟というのは目を開けていても何も見えないくらい真っ暗ですから、撮影をするにはライティングが大変なんです。僕ら探検隊も、撮影もライティングもできますので、NHKの撮影チームとのコラボによって作りだされた映像は見どころ満載だと思います。
1か月、入りっぱなしで探検した巨大洞窟は、強アルカリ性の地下水に、鋭利な鍾乳石、異常に高い湿度……
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『洞窟ばか』 TBS『クレイジージャーニー』などで話題沸騰の男・吉田勝次。国内外で前人未踏の地下世界に挑み続けてきた洞窟探検家、初の著作 |
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