国内感染者9人で外出制限発令のラオス、帰国した邦人男性に聞く
4月6日、ラオス航空はラオスで帰国できない状況になっていた在留邦人のために、首都ビエンチャンから成田への臨時便を運行した。現在、ラオスから日本への直行便はなく、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う各国での水際対策の影響で乗り継ぎ便の利用が困難になっている人のための、在ラオス日本大使館による救済措置だ。
ラオスは3月24日に国内で初の感染者を確認したが、それに先駆けてラオス政府は3月18日にすべての外国人への観光ビザの発給を30日間停止することを決定。カラオケやマッサージ店、居酒屋などの娯楽施設も一時的に閉鎖していた。今回、臨時便で帰国した日本人男性に帰国が決まるまでの現地での経緯を聞いてみた。
「3月18日の時点では、私が暮らしているビエンチャンではクラブやカラオケなどの娯楽施設を除いて、ほとんどの店が通常営業していました。私が所属する団体ではラオスとの乗継便を結ぶタイ国際航空の運休もあって日本人スタッフは混乱していましたが、ラオス人はコロナに対してまだ他人事のような印象でした。3月26日にタイが非常事態宣言を出したときも、人の往来は禁止になりましたが物流には問題もなかったように思えます。人数制限は設けられたもののトラックの往来は許可されていたので、マスクやアルコールを除いては物がなくなるということもありませんでした」
街の様子が大きく変わったのは3月30日からだという。
「国内感染者が9人になったことを受けて、外出制限が発令されたんです。生活必需品の買い物や通院を除く外出は原則禁止とされ、地域間の移動や必要な用事の移動の際にも行政からの許可証が必要になりました。さらに感染予防に必要なマスクなども値上げされ、買い占めした者には罰金の対象にも。飲食店はテイクアウトのみの営業となり、休業する店やリモートワークに切り替える会社も増えました。公務員は4月16日のラオス正月までリモートになったそうです。この時点で外出する人はかなり減りましたが、市場やコンビニは空いているので特に大きな支障はなかったです」
外出制限を受けて漠然とした不安はあったものの、日本大使館の早急な対応によってすぐに取り除けたという。
「3月末から、日本大使館より在邦人に向けて帰国希望の調査のメールが送られてきました。希望を出していたので、臨時便で帰国できることが決まったのです。6日の臨時便のチケットが取れたのですが、その間、私立病院やクリニックに対して休院命令が出ていたことが不安でした。
ラオスは医療レベルが低いため、日本人は私立病院に行くんです。それが休院となってしまったので、コロナ以外にも事故や他の病気になったときに大丈夫なのかな、と在邦人の間で話していました。現在、休院命令は暖和されましたが、一時はとても緊迫した雰囲気がありました。
臨時便で出国するときもPCR検査はなく検温のみで、日本入国時も検疫官による問診とサーモグラフィーのみでした。タイやベトナムからの帰国者はPCR検査をしないといけないようですがラオスからの帰国者はなかったので、フライト中も帰国できて嬉しい反面、緊張感がありましたね」
国内感染者9人で外出制限が発令
出入国時、PCR検査はない?
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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