更新日:2023年03月20日 11:20
ライフ

GW、海外旅行に行く人は必見!スリ、詐欺、暴行にあわない安全対策

 長い人は10日間もある、今年のゴールデンウィーク。この休みを利用して海外に遊びに行く人も多いはずだ。楽しみにしている海外旅行で一番心配するのは治安面だろう。  今回はこれまで世界83か国を旅してきた筆者が、海外で気を付けるべき点をレクチャーする。また、実際に被害に遭ってしまった事例も紹介したい。
ミャンマー

ミャンマー・ヤンゴンのパゴダ(寺院)にて。昨年10月から日本国籍保有者はビザが免除になったので今後は観光客が増えるだろう

今も昔も日本人は犯罪者のカモ

 日本人はカモだ。昔から言われていることだが、世界中の犯罪者やスリにとって日本人がカモであることは今も変わらない。基本的に犯罪に遭うのは世界を股にかけているビジネスマンやバックパッカーよりも、ごく普通の旅行者である場合が多い。自称“元犯罪者”のフランス人男性が言う。 「日本人は現金をたくさん持っているし不注意なのでラクだね。だから一人でいる旅行者を狙うよ」  海外の治安が良くない場所でもリュックなどのカバンを後ろにかけている日本人を筆者は多数見てきた。ちなみに地元の人はスリ、ひったくりの被害を防ぐために前にかける場合が多い。もっと驚いたのは、パスポートや財布、貴重品をリュックのポケットにそのまま入れているのである。  海外で知人や仕事関係の人が、「財布やカードを無くした、落とした」とか言っていたことがあるが、間違いなくこれはスラれていると思う。  なぜなら、普段日本ではそんなミスしないのに、海外に来たら突然、無くしたり落としたりするわけがない。スラれたに決まっているだろう。被害に遭ってしまった人には特徴がある。 ・自分が被害に遭うとは全く考えもつかない。 ・たとえスラれても、どこで落としたかを懸命に考えてしまう。 ・カバンの中に貴重品を不用心に入れている。 ・街中には人も多いことから安心してしまい、日本と同じ感覚で警戒していない。  現に、筆者の知人は東南アジアの某国で「財布を落とした」と騒ぎ、警察に行って紛失したと思われる場所の防犯カメラを確認してみると、自分のカバンからスリが盗るのが映っていた。
ベトナム

ベトナム・ハノイ。日本から直行便もあり旅行者が近年多い

スリや詐欺の被害に遭わないための基本

 では、次に基本的な対策を教えよう。いたって簡単だ。 1.パスポートなどの貴重品は腹巻型の貴重品袋に入れる。スリ多発地帯や、窃盗団に囲まれた時も筆者は無事であった。 2.カバンに大事なものが入っていたら前にかける。ただ、水やガイドブックぐらいしか入っていなかったら後ろで構わない。 3.常に警戒は怠らない。疲れていたり、街にも慣れて安心している時が要注意だ。 4.逃げるが勝ち。時には犯罪者が集団で囲んでモノを奪ってくる場合もある。声を出してもほとんどの場合、周りの人は助けてくれない。筆者もそんな場面に何度も遭遇したが、なりふり構わず、いや、正確には人が多い場所、広い道、警察がいそうな場所、レストラン、カフェに逃げるのである。実際に筆者もそうして助かっている。 5.日本語や英語で馴れ馴れしく話しかけてくる人は基本的に信用しない  日本語や英語で声をかけてくる人は筆者の経験上、90%は犯罪者、悪い奴である。その中には、旅行者を装っている場合もある。  たとえば、2年前にトルコのイスタンブールでこんなことがあった。  繁華街で同年代の友人と夕食を食べた後、自称“スペイン人”旅行者が英語で話しかけてきた。男は20代で、オヤジ二人に声をかけてくるだけでも怪しいのだが、しばらくとりとめもない会話をしていると「一緒に飲みに行こう」と誘ってくる。  筆者はスペイン語がわかる。試しにスペイン語で話しかけてみると、相手はキョトンとしている。全然理解していないようだ。詐欺師決定である。それからもしつこかったが、誘いを断った。  この男は旅行者に「日本のことをいろいろと教えてほしいから知っているバーに行こうよ」と声をかけ、ぼったくりバーに連れていく。会計の時に法外な額を請求する詐欺師なのだ。被害報告も筆者の耳に入ってくる。こうした善意を装った詐欺は少なくない。
トルコ

トルコ・イスタンブールの街。怪しい奴もいるので注意が必要だ

次のページ right-delta
“善意のフリ”をしたトルコ・イスタンブールの靴磨き詐欺
1
2
旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」

記事一覧へ
おすすめ記事