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我々は野蛮人を目にした。中井徳太郎環境事務次官と石原宏高副大臣だ/倉山満

我々は野蛮人を目にした。中井徳太郎環境事務次官と石原宏高副大臣だ

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就任会見で「炭素税」に触れ、炎上中の中井徳太郎環境事務次官

 そもそも、官僚とは何か。公僕である。  国民から預かった税金を管理するのが仕事である。政府を通じて予算を執行し、国民に尽くす。官僚は、常に控えめな存在だが、国を守る仕事に矜持を抱いてきたものだ。今でも少なからずの官僚が、そのような矜持を抱いているだろう。  官僚は、国家権力の内、司法権と立法権以外のすべての権力を、実際に行使する。要するに、裁判をすることと法律を作ること以外のすべてが行政権力だ。現実に、日本の国会議員は行政官僚の助けを借りねば、法律も予算も作れない。いくら建前を唱えても、選挙の片手間に政治をやっている国会議員が、24時間365日その道一筋の仕事をやっている官僚に敵わないのはやむを得ない。  ただし、官僚にはできない大きな仕事が一つある。官僚の監視だ。自分で自分を監視することはできない。だから、国民に対し強大な権力を行使する官僚を監視するのが、政治家の最も大事な仕事だ。選挙で選ばれた政治家が大臣として官庁に乗り込み、官僚を監視する。これが議院内閣制だ。  官僚と政治家と国民は決して対立する存在ではないが、そこに権力が存在する限り必ず腐敗が生じる。だから絶えまない監視により腐敗を防がねば、国全体が危うくなる。  選挙は、何の為に行われるのか。国民が自分たちの納めた税金の使い道を監視するためである。  この考え方が最も徹底した国が、アメリカ合衆国である。米国は、銃を持って立ち上がった人民が力ずくで打ち立てた国だ。時のイギリス国王ジョージ3世が増税を命令したとき、植民地にすぎなかったアメリカの人々は「自分たちは議会に代表を送っていないのに、一方的な命令で増税を受け入れるつもりはない」と拒否し、遂には武力革命を起こして成立した国だ。今でもアメリカ人は、「Democracy with a gun」と誇る。「税金をとりたければ我々の意見を聞け! おかしな真似をすると銃殺する」がアメリカの民主主義なのだ。  米国の建国の理念は「代表無ければ課税なし」である。この理念は、我が国でも受け継がれている。帝国憲法を制定する時に、伊藤博文は「文明国では納税の義務の代わりに選挙権を認め、民選議員が予算を決めねばならない」と考え、実際に条文に盛り込んだ。この部分は、現行憲法でも変わっていない。時代や洋の東西に関係なく、文明国の通義だからだ。
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小泉進次郎環境大臣や佐藤ゆかり副大臣の沈黙に対し、石原宏高副大臣の失言が目立つ

 ところが、だ。我々は野蛮人を目にした。中井徳太郎環境事務次官と石原宏高副大臣だ。  7月22日、中井次官は就任会見で「炭素税」の必要性について言及した。自分が何をしでかしたかわかっているのか。
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官僚は、税金の管理が仕事である
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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