ビキニ姿のバリスタのコーヒー店や大麻専門店も。アメリカの裏風景
日本の入国制限が緩和され、3回目のワクチン接種者は陰性証明も免除となり、これからアメリカ旅行を計画する人もいるかもしれない。しかし、トランプ政権以降の分断の加速、そしてコロナ禍を経た今、アメリカはどうなっているのか?
日本では違法薬物のため、逮捕される芸能人のニュースで注目を浴びがちな大麻(マリファナ)。しかし厚生労働省により医療用大麻解禁の方針が示されるなど、少しずつ状況は変化しつつある。アメリカでは、2022年9月時点で医療用を含め合法化されているのは全州の8割近くに上る。ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスの大都市を抱える各州は嗜好品としての使用含めて完全合法。西海岸に至っては北のワシントン州から南はカリフォルニア州まで全域で完全合法である。
そうした街に足を踏み入れると、バス停や公園付近の人だかりなどで青臭くなんとも形容しがたい匂いに気付くことだろう。
洒落たアパレルショップを思わせる大麻専門店が大通りや通学路に堂々と鎮座し、車を走らせると「店まで直進○マイル」などと記した巨大看板まで見かける。添乗員とマリファナ専門店を巡る、州外からの旅行者向け観光ガイドツアーも評判だ。
筆者の住むシアトルは、世界最大級のマリファナ愛好者のフェス「シアトル・ヘンプフェスト(Seattle Hempfest®)」が1991年から続く街だ。1998年には医療用マリファナがまず合法化された。2012年に21歳以上の嗜好用マリファナの合法化が決まり、今年でちょうど10年を迎える。
アルコールと同様に、公共の場での摂取やマリファナの影響が残る状態での車の運転はできないはずだが、前述した通り、街角に漂う匂いや道の真ん中で何かを叫んでいる人は確かに存在している。
マリファナと言えば、芸術作品のような色とりどりのガラス製水パイプが代名詞だったが、近年はベイプ(VAPE)と呼ばれるペンタイプの電子タバコが吸引デバイスとして主流となっているようだ。匂いが出ずバレにくいため、ティーンの間での「隠れタバコ」ならぬ「隠れマリファナ」がよりいっそう社会問題化している。ブラウニーやクッキーなどマリファナ入りのお菓子も売られる。日本人からすると異次元のような国に思えるかもしれない。
シアトル在住で日系タウン誌の編集長を10年以上務めている筆者が、アメリカ旅行であなたも遭遇するかもしれない、普通の街の知られざる風景を紹介していく。
大麻合法のアメリカの街で起きていること「旅行者向けツアーが評判」
10代の若者たちの「隠れマリファナ」が社会問題に
アメリカ・シアトル在住。エディター歴20年以上。現地の日系タウン誌編集長職に10年以上。日米のメディアでライフスタイル、トレンド、アート、グルメ、カルチャー、旅、観光、歴史、バイリンガル育児、インタビュー、コミック/イラストエッセイなど、多数の記事を執筆・寄稿する傍ら、米企業ウェブサイトを中心に翻訳・コピーライティング業にも従事。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員
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