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「趣味:刑務所見学」異色のグラドルが受刑者との文通を始めたワケ。「犯罪者を甘やかしている」という批判について思うことも

 ミス東スポ2020グランプリに輝き、グラビアアイドルとしても活躍する緑川ちひろさん(31歳)。抜群のプロポーションと美しい顔貌からは想像もつかない活動をしている。刑務所見学だ。また4年ほど前から、受刑者との文通を開始。これまで手紙をやり取りした受刑者は30名近くになるという。法務省が行っている「社会を明るくする運動」の一環で、全国の刑事施設から刑務作業製品の販売などを行う全国矯正展においては、今年、トークショーのメンバーに選ばれた。  一風変わった、けれども社会に必要な発信を続ける彼女に、刑務所の魅力と活動の根源にあるモチベーションを聞いた。
緑川ちひろ

緑川ちひろさん

生まれながらにして悪い人はいないと思う

 緑川さんの父親は警察官。だが、家庭で仕事の話を父親の姿は見たことはないという。 「守秘義務などもありますし、家族にも父は何も言わない人でした。ただ、書棚に事件や刑務所にまつわる本があって、わりと小さいころから興味を持って読んでいた記憶があります」  率直に、怖くなかったのか。緑川さんは真っ直ぐに答えを返してくる。 「怖さはなかったですね。私、基本的に性善説で生きているんです。生まれながらにして悪い人はいないと思うし、犯罪を犯してしまった人も、何かのきっかけが続いてそうなってしまっただけで、環境さえ整えばそうならなかったのではないかと考えています」

プロフィールの趣味欄に記入したのは…

 緑川さんが芸能界に入ったのは25歳のとき。大卒後に入社した会社を退職し、アルバイトをしているときにスカウトをされた。 「自分でもまったく気づかないうちに、入社した会社で頑張りすぎてしまって、うつ病を罹患してしまったんです。もともと好奇心は強い方で、スカウトされたときも、『新しい環境で頑張ってみたい』と思えました。  しばらくはさまざまなオーディションを受けて、レースクイーンのお仕事などもさせていただきました。事務所でプロフィールを記入するとき、趣味を思い返していたなかに『刑務所』があったんですよね」  緑川さんには語るだけの知識もある。好きな刑務所は「千葉刑務所」、理由は「設計者の山下啓次郎さんが好きなんです。千葉刑務所のほか、4つの監獄(当時)を作ったんです」ときた。
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ファンレターがきっかけで受刑者との文通を開始
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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