渡辺竜王「電王戦には出たくない」
3月に王将位、棋王位を相次いで獲得し、竜王、棋王、王将の三冠となった将棋棋士、渡辺明。00年に史上4人目の中学生棋士としてデビュー以来、「今が技術的には一番いい状態」という彼が語る、コンピュータ将棋の台頭への危機感とは?
――先月の電王戦について、最終局をご覧になっていましたか?
渡辺:まだちゃんと精査していませんが、コンピュータの△8四銀という仕掛けがプロの常識にはなかったという将棋で。人間は「こんな攻めは無理だろう」みたいな先入観があるんです。ただ、これまでは定跡を作るのも不備に気づくのも人間だったので(笑)。気づかないまま、ずっとスルーされていることがあるんです。たまたまそういう戦型になって、ボロを突かれちゃったという感じで。まあ、強いは強いですね。あの内容の将棋を指せるプロが何人いるかと言われたら、そんなにはいない。
――少なくとも「GPS将棋」はトップクラスになっている?
渡辺:なっていると言わざるをえないと思います。サンプルが少ないので断言できませんが。
――率直に言って、竜王は次に電王戦が開催されたら出ますか?
渡辺:出たいか出たくないかで言えば、出たくないです(笑)。といっても頑なに拒否するわけではなくて。今この時代を生きているわけですから、そういう役割を求められたら出ます。今はタイトルも持っているので、自分の一存では決められない部分もありますし、いろんな条件がクリアされれば出るでしょうね。
※週刊SPA!5/14発売号の「エッジな人々」では、渡辺竜王がインタビューに答えている。将棋ファンならずとも、要チェックだ!!
取材・文/坂本寛(Tabloid) 撮影/キッチンミノル
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