右翼による「脱原発デモ」周辺住民や参加者の声を聞く
野田総理の地元である千葉県船橋市。この場所で、右派主導のデモを主催する団体「右から考える脱原発ネットワーク」による「新総理の膝元で脱原発を問う」と銘打たれた脱原発デモが開催された。
開始時間になり、呼びかけ人である針谷大輔氏(統一戦線義勇軍・議長)、鈴木邦男氏(一水会最高顧問)らが挨拶する。
「本日は大きな声で船橋市民をはじめ、総理に“脱原発”を問いたいと思います。右も左も関係ない。野田総理を選んでいる船橋市民の皆さんに脱原発を訴えるべく、この集会を開催しました」(針谷氏)
「福島をはじめ、美しい領土が破壊されている。今こそ立ち上がらないといけない。今まで保守派だった人達の間でも、ずいぶんと異議申し立てがされています。新しい形で抗議をし、声をあげていかなければいけません」(鈴木氏)
次いで、船橋市民代表の40代主婦や一般参加者らもスピーチ。約30分の集会を終え、いよいよ行進がスタート。日の丸を先頭に掲げ、デモ隊は動きだした。
デモ隊はJR船橋駅、京成船橋駅を横断する形で約1.5kmの道を練り歩いた。
気温30度を超えるなか、「脱原発を実施し、子供たちの命と麗しき山河を守れ!」とシュプレヒコールが響きわたる。“右から”と書かれた旗を見つめ、沿道の市民からは「なぜ右翼がデモを?」という疑問の声も出ていた。
「若い人や女性とか、一般人が参加しているのに驚いた。街宣車でワーワーやる、今までのやり方とは違うんだな」(50代・男性)
若年層を中心に「デモを見てても、右とか左とか区別つかない」(20代男性)という声も多く聞かれ、ある10代女性は「でも、反原発なことには変わりないんでしょ?」と話していた。
大きな騒動も起きることなくデモ行進はおよそ一時間で終了。参加者に話を聞いてみると、彼らの多くはツイッタ―など、ネットを介して参加を決めたという。
「今はとにかくなんとかしなきゃいけない。思想対立をしている場合ではないと思う」(30代・女性)
9/27発売の週刊SPA!「右翼だって反原発! その主張を聞いてみた」では、船橋デモの詳細ほか、針谷氏、鈴木氏、noiehoie氏の鼎談を掲載。その真意に迫った。
取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/水野嘉之
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