更新日:2017年11月27日 21:20
カーライフ

約3000㎞の軽自動車の旅は男のロマン!S660で東京-鹿児島を往復、燃費はリッター19.6km

昨年の見物失敗に凝りもせず、今年も夏の中年旅行ならぬ鹿児島ロケット打ち上げ見物に出かけたところ、一行のなかに“もってない男”がいたようで……。仕方がないので、失敗も人生の財産だ!と言い聞かせながら、ほぼ完成した九州の高速道路をぐるっと周回。雄大な桜島を眺めながら来年こそは!と誓ってまいりました MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
S660(軽自動車)で東京―鹿児島往復約3000㎞を走破しました!

あいにくの曇り空で桜島のてっぺんは拝めませんでしたが、それでも雄大な景色に癒されました

◆S660(軽自動車)で東京―鹿児島往復約3000㎞を走破しました!  HⅡBロケットによる「こうのとり5号機」の打ち上げ大成功、おめでとうございます! 私もいち日本国民として心から喜んでおります! ただ喜ぶだけじゃ物足りないので、打ち上げを見物に行こうとしました!  当コラムは昨年、イプシロンロケット1号機の打ち上げ見物に行って見事スカ(延期)を食らったが、今度は大丈夫だろう。不肖ワタクシ、これまで4回種子島へ見に行っているので、今回は本土側の大隅半島先端から遠望しよう! ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=928630 S660(軽自動車)で東京―鹿児島往復約3000㎞を走破しました! 足は、納車されたばかりのホンダS660。世界最小のスーパーカーで鹿児島まで往復約3000㎞たぁ、男のロマンじゃないか!  そのロマンの前に立ちはだかったのが天候だ。種子島地方への雷注意報の発令により、打ち上げは1日延期。その時点でこっちも出発を1日遅らせたが、約1000㎞走ったところで悲報が襲った。 「『こうのとり5号機』の打ち上げは再延期されました」  ぐわあああああああーーん! しかも今度は2日も延期。学生サンならいざ知らず、さすがにスケジュールが破綻した。2年連続でスカかよ……。だからロケット打ち上げ見物はロマンなんだけど。
S660(軽自動車)で東京―鹿児島往復約3000㎞を走破しました!

今年も打ち上げを見られず……。残念! 写真は以前に見物したHⅡBロケット1号機です。来年は1週間滞在する覚悟で行きます!

 急遽目的を高速道路による九州一周に変更。今年3月、東九州道の佐伯‐蒲江間が開通し、九州をほぼ一周する高速道路網が完成したのだ。高速道路研究家として、ぜひぐるっと回っておきたい。同行者からは、「打ち上げが延期になったのに、なんでそんな遠回りして帰京するんだ」と文句が出たが、男のロマンを解さないヤツは無視である。  この九州一周高速道、福岡県内の椎田南―豊前間7.2㎞のみ未開通だ。ニュースでも話題になったみかん農家の未買収地が原因だが、それも6月に強制収用となり、1年半後の開通見通しとなった。いろいろなご意見があるでしょうが、公共性の前に私権は制限される場合も必要だと私は考えております。現状、この区間だけは国道へ迂回。ほぼ隣接して走っているので不便はない。
S660(軽自動車)で東京―鹿児島往復約3000㎞を走破しました!

上から2番目の写真が別府湾SA。本土から東九州道に乗り入れたら、ここで給油しないと。最後のガソリンスタンドです。下から2番目は川南PA。約150㎞ぶりの休憩場所。しかしガソリンスタンドはありません

 新規開通区間も含め、佐伯(大分県)‐延岡南(宮崎県)間の67㎞は料金無料。過疎路線で全国一律のバカ高い料金だったら誰も走らないが、無料なら走る。正しい市場原理である。ただし片側1車線で追い越し区間も皆無。激遅のノンビリ屋さんに行く手を阻まれ大幅に時間をロスしてしまった! まだまだ日本は貧乏な国なんだと実感する。  しかも東九州道にはPAが猛烈に少ない。なんと150㎞も空白だ。ガソリンスタンドに至っては280㎞も空白! S660のタンク容量はたったの25L。すわガス欠か!? とならないよう直前で満タンにしておいた。みなさまもご注意召されよ。  こうして噴火警戒レベル5の桜島が見えるところまで到着! 計画では、その晩ロケットが下から上への逆流れ星のように見えるはずだったが、無念。この無念は来年晴らしたいものである。 【結論】 往復約3000㎞も走り、燃費はリッター19.6㎞。さすがにS660だと走り応え満点で、帰着後2日間は背中や腰がバキバキ。でも軽自動車は高速代が2割安いので嬉しかったッス
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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