読んではいけない!「ダメなビジネス・自己啓発書」の見分け方

 会社では人事異動や昇進が話題になり、新入社員も入ってくる季節になった。新年度に備え心機一転、「今年こそは!」と勉強熱を高めているサラリーマンも多いことだろう。書店の店頭にもこの時期、「いかにして勝つか」「いかにして成功するか」「幸せになる方法」「◯◯の成功法則」といった本がずらっと並ぶ。モチベーションは上げたいが、さて、どれを読んだらいいのか……?

「本のソムリエ」清水克衛氏

「本のソムリエ」清水克衛氏

 そこで、テレビや雑誌で話題の「本のソムリエ」こと書店「読書のすすめ」店長の清水克衛氏におススメの成功法則本・自己啓発本について聞いてみた。まずは、最近の本の傾向について伺った。

「今はみなさん、すぐに答えを欲しがる傾向があると思います。恋愛でさえも答えを急ぐものだから、『モテる方法』みたいな本ばかり書店に並んでいる。成功法則本も、どうしたら早く楽に成功するかを説いている本が多いですね。『簡単に儲かる』『ラクラク成功する』『たった3分でうまくいく』。ウルトラマンだって3分、必死の戦いをしているのに(笑)。ウチにもよく、売り上げをアップする方法が書いてある本はないですか?、と尋ねてくる人がいらっしゃるんですけど、人間相手の商売で、答えだけ知ろうとしたってうまくいかないに決まっています」

「『啓発本』も、『○○しなさい』とか『○○でなければならない』とか、自分の頭で考えさせない本が多い。このような本ばかり読んでいては、思考の自動化を起こしてしまいます。あれがいいと聞けば、無自覚でそちらに流され、次に何かあれば、またまた流される。誰かが作った価値観を何の疑いもなく信じこみ、それを自分の生き方だと勘違いしている人がとっても多い。本当の啓発とはそんなものではなく、一人ひとりの心に火が点き、魂が燃えるものです」

 そういう意味では、今こそ「本当の啓発」が必要な時代なのだろう。では、どんな本を読めばいいのか?

「時代が変わろうが、常識が変わろうが、変わらない『真理』というものがこの世にはある。私はそう確信しています。この人間の真理を学ぶには、思想や哲学、歴史など、時代が変わってもずっと残る、普遍的なものを読むことです。これを私は『縦糸の読書』と呼んでいます。一方、『横糸の読書』とは、例えば、『インターネットでラクラクお金儲け』といったノウハウ本などです。答えは見つかるかもしれませんが、時代や常識が変わったらその答えは不正解になってしまうかもしれません」

 時代の変化のスピードが今はとても速くなっていて、うっかりしていると、そのスピードに負けて振り回されてしまう。その中で、流行に振り回されない読書の仕方を身につけ、それによって折れない心を培ってほしい、と清水氏は語る。

「物事の道理に適った考え方は、ちょっとやそっとの変化では振り回されません。自分らしく生きていくためには、『揺るがない柱』を私たちは心の中にしっかりと立てておくことが肝心です。『縦の読書』によって、『真理』を学ぶと『垂直な生き方』が身につきます。そうなると不思議なもので、仕事も恋愛も人間関係のトラブルも、自分独自の解決策が魔法のように頭から湧き出してくるようになりますよ」

 最後に清水氏から『日刊SPA!』の読者へ、「縦糸の読書」のためのオススメの本を紹介してもらった。

●『福の神になった少年 仙台四郎の物語』(作・丘修三/絵・村上豊/佼成出版社)
児童書といってナメちゃいけない、まさに商売繁盛の必読本です。幕末から明治にかけて仙台に実在した仙台四郎のお話。この本は、なぜ彼が商売繁盛の神様と呼ばれるようになったのかが物語として書かれていて、読むと「どうやって人に喜んでもらおうか」といった商売の根本のことが分かってくるんです。

●『頭山満伝 ただ一人で千万人に抗した男』(井川聡著/潮書房光人社)
明治から昭和前期にかけて政治結社「玄洋社」総帥として「大アジア主義」を掲げて活動し、「右翼の巨頭」と呼ばれた男の伝記。何があっても動揺しない「肚(はら)」を作るには、100冊のノウハウ本を読むよりも頭山満に学ぶのが近道です。私も読みましたが、魂が燃え過ぎてなかなか消えず、冷静に戻れなくて困りました(笑)。

●『男の品位』(安藤昇著/青志社)
戦後の焼け野原で愚連隊を率い、安藤組の組長から後に俳優に転進した伝説の男が語る言葉には重みがあります。「価値観の多様化などともっともらしいことを世間では言うが、そうではない。『男の品位』は時代を超えて不変なのだ」。この本は男性だけの秘め事の知恵として、女性は読むのをお控えください(笑)。

【清水克衛氏】
1961年東京生まれ。書店「読書のすすめ」代表、NPO法人読書普及協会顧問。大手コンビニの店長を10年務めた後、平成7年に東京都江戸川区篠崎で書店を開業。小さいお店ながら「本のソムリエから直々に本をススメて欲しい」と全国からお客さんが訪れる。最新刊は『魂の読書――世の中に流されるな!』(育鵬社)。

<取材・文/日刊SPA!取材班>

魂の読書

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