デビュー10周年“日本の歌姫”May J.が昭和の名曲をカバーする理由

 ニューアルバム『Sweet Song Covers』を3月16日にリリースした歌姫May J.。今回のアルバムでは、山口百恵や山下達郎などの大御所が歌っていた昭和の名曲をカバーする。今や、幅広い層のファンに愛されるMay J.だが、10周年を振り返っての葛藤や新しいアルバム、そして今まで彼女を支えてきた家族について語ってもらった。

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May J.

歌姫May J.を支えてきた家族への思い


――今回のアルバムでは、May J.さんの両親の世代も、きっと聴いていてすごくうれしくなる曲ばかりですよね。May J.さんにとって、今、家族はどんな存在ですか?

May J.:家族は、やっぱりどんなときもそばにいてくれる大切な存在ですよね。何か落ち込んでるときとか、うまくいかなかったりとかしても、常に味方になってくれるから、いつでも帰れる場所があるという安心感をくれる。私のベースになっているところですよね。今回のアルバムに収録している『秋桜』もお母さんに向けて歌う曲です。

――小さいとき、家族と一緒にいるとき、どんな曲を聴いていましたか?

May J.:それこそ父が洋楽を中心に聴いていたので、例えばホイットニー・ヒューストンとか、マライア・キャリーとか。あと宇多田ヒカルさんは、私、日本のアーティストさんの中で一番尊敬してて、「ああ、こういうアーティストになりたい」と思っていた方なんですけど、それも父が家で宇多田ヒカルさんのCDを聴いていて、何気なく置いてあったんですね。けっこう父の影響が大きいんですけど、『RIDE ON TIME』という今回収録しているこの曲も、私が小さいときに、父がピアノを弾き語りしてくれていました。

May J.――お父さんが宇多田ヒカルさんを教えてくれて、それからずっと好きだとおっしゃっていましたね。宇多田さんはこの春、音楽活動を再開しますが、どういうところで影響されていますか?

May J.:彼女の音楽のスタイルは、英語と日本語を混ぜた、R&Bっていうジャンルですよね。私のデビュー当時は、R&Bのダンサブルな曲を歌っていたので、今と全然雰囲気が違うんです。でも当時、私が想像していた自分のなりたいアーティスト像っていうのが、すごく宇多田さんに近かったんですよね。

カバー曲で届けたい思い


――今回のカバーアルバム、プレッシャーなどありましたか? 山口百恵さんや山下達郎さんら錚々たるシンガーの名曲が並んでいますが……。

May J.:そのカバーをすることによって、オリジナルと変わらないように、どれだけ自分の曲にできるかということを楽しんでいます。やっぱり歌詞も何回も読み返すし、原曲も何回も聞いて、原曲の素晴らしいところって、どこなんだろうって。そこをやっぱり残したいなっていう思いがあって、そこを残しつつも、でも自分にしかできないことをしました。自分のキーに合わせたり、自分の声で生かせる部分っていうのもたくさんあるので、自分だけにしかできないテイストも入れて、自分の曲にできるようにしています。

――今回のアルバムで、有名どころの曲がたくさんあったと思うんですけど、この選曲の基準は何だったんですか?

May J.:ここ2~3年ぐらい、NHKさんの番組『歌謡コンサート』などで、いろんな歌謡曲や昔の歌を歌わせていただく機会をいただいていました。そこで、30代後半から60代までいろんなファンの方々から反響があったんですよね。それで、「いつか歌謡曲を歌ったカバーアルバムを出したいな」っていうのが、ずっとあったので今回、80年代を中心に選曲しました。

――カバー曲を多くなさっていると思うんですが、カバーをすることの魅力を教えてください。

May J.:カバー曲を今までは出すつもりはまったくなくて。なぜ出したかというと、いろんな番組で、いろんな曲を歌わせてもらうようになって、その曲をレコーディングしてほしいとか、カバーアルバムを出してほしいっていうリクエストを、すごくたくさんいただいたんですよ。それがきっかけでしたね。だから、そうやって「聴きたい」って言ってくださる方がいるっていうのは、本当に幸せなことなんだなって思ったんです。だから、それに応えたいという思いで作っています。

10周年を迎える2016年。これからのMay J.


May J.――今年で10周年ですが、これからどんな歌手になっていきたいですか?

May J.:いろんな経験を積んで、歌とともに成長していきたいなと思っています。やっぱりいい歌を聞かせるためにも、いろんな訓練や人生経験をして、自分と向き合って歌で表現するっていうことが必要になってきます。でもどうしてそこまで歌を追求していきたいかというと、やっぱり聴いてくださる方がいるからなんですよね。私の歌を聴いて、心を動かしたり、笑顔になったり、楽しくなったり、そういうふうに歌で人を動かせたらいいなっていう思いがあります。

――自分がやりたいことと、周りの人が「やってほしい」と思うことは、どうしても違ってくると思います。そこでの違和感みたいなものはないですか?

May J.:もうないですね。デビュー当時だったら、たぶんこんなに幅広くできなかったと思うんですよ。やっぱり自分のやりたいことの幅が狭くて、それ以外のことをブロックしていました。ですが、その壁を取ることで、今は何に挑戦してもやっぱりMay J.になれるっていうことを目指しています。だから、いろんなことに挑戦して、それを吸収して表現していきたいっていうのが、今の私のモットーです。

 悩む日もありますが、答えは自分の中にあるんですよ。ただ、それが出ない日って、やっぱりあるし、何をしてもよくない日ってあるじゃないですか。それはそれで、またやっぱり明日から頑張ろうってことで(笑)。

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<取材・文/穂苅由利渚 撮影/山川修一>

Sweet Song Covers

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