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【全原発停止】いち早く停止し、すでに1年が過ぎた浜岡原発の今

―[浜岡原発]―
 北海道電力の泊原子力発電所3号機が定期点検のため停止した。これで国内で稼動中の原発はゼロとなり、夏の電力不足が懸念されるなど、早くも議論が巻き起こっている。「原発停止」といえば今からちょうど1年前の5月にも、菅直人元首相が「鶴の一声」で御前崎市の浜岡原子力発電所を停止させ、大きなニュースとなった。  東海地震の予想震源地や首都圏に近いことから、長く安全性が懸念されていた静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所。停止からおよそ1年が経過した今、街の様子や市民はどのように考えているのだろうか。大型連休最終日、5月6日の浜岡原発がある御前崎市に行ってみた。
浜岡原子力発電所

浜岡原子力発電所

⇒【画像集】 浜岡原発周辺の様子(https://nikkan-spa.jp/207076/hamaokancp_01) ◆意外にも原発併設広報施設「浜岡原子力館」は大賑わい!  原発周辺はデモもなく、ビラやプラカードも見当たらない。至って普通の「休日の賑わい」だった。それは原発に併設されたPR施設である浜岡原子力館も同様であった。浜岡原子力館は、原子力発電の仕組みや自然エネルギー、環境問題についての模型やアトラクションが多数展示されている、言わば「原発啓発施設」だ。原発事故以降、もしや裏寂れた状態になっているのでは……と思いきや、GW最終日の6日は親子連れやカップルなど、普通の観光施設や博物館と変わらないお客で賑わっていた。来館していた男性に話しを聞いてみた。 「今日は浜松から家族で遊びに来ました。原子力館に来たのは2回目になります。まだ子供が小さいので食べ物には気を使っていますが、浜岡原発自体が危険だという意識はありませんね。勉強にもなりますし、子供にとっても良い体験だと思います。機会があればまた来たいです」(20代・男性)  同館スタッフによると、子供の日には、金冠月食の観測用メガネ作成、発電を体験するイベントなどを開催し、約6000人の来館者があったとのこと。震災後しばらくは入場者数が1.5倍ほどに増加し、県外からのお客さんも増えたというから驚きだ。 ◆近隣住民からは、再稼働・電力不足・町の経済衰退など様々な不安の声  また、浜岡原発から至近の御前埼灯台も、日本の灯台50選にも選ばれている市内でも有数の観光スポット。ここも連休中は磯遊びに興じる親子連れの姿や団体客、ツーリングと思われるのバイク集団などが訪れていた。そこで、地元や近隣の地域から訪れていた人に話を聞くことができた。 「御前崎は地元です。生まれたときから原発があったので、特に意識をしたり、疑問は持ったりはしませんでした。原発が話題になることは無かったですし、津波より地震の方が危ないと思っていました。難しい事はわかりませんが、今は原発や放射能に対して何となく不安に思っています。関係者の知り合いもいるので、良い悪いについては何ともいえません。『原発様様』という人もたくさんいるでしょうし、もし原発が無くなったとしたら、飲み屋さんなんかは特に大変だと思います。町自体もヤバイかもしれませんね」(30代・男性) 「島田市から、地元の仲間とツーリングで来ました。今は原発が停止していますし、御前崎が危ないとは特に思いません。自動車整備の仕事をしているのですが、震災後の輪番停電や、夏の節電で大変だった店舗の話も聞いているので、電気が足りないのも困ります。ただ事故が起きた時の事を考えると、島田市も30キロ圏内に入りますから素直に賛成はできませんね。福島の方の大変な状況も見ていますし、地元に住めなくなるなんて想像できないし、したくもありません。抗議行動をしないまでも、原発に反対している人は多いのではないでしょうか」(20代・男性)  再稼働か完全廃炉か。一部には「原発マネーで潤っている」などと言われなき非難の声もあるが、現地の住民は、どちらの道を選んだとしても当事者ならではの不安を抱いているのが現実なのだ。 ⇒【後編につづく】浜岡町初代町長の孫は「震災以降、原発にはきっぱり反対」 https://nikkan-spa.jp/207082
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