川崎宗則移籍先決定!イチロー愛は成就?
シアトル・マリナーズを解雇された川崎宗則(31歳)が、トロント・ブルージェイズと1年契約を結んだ。’06年、’09年はWBC日本代表の中心選手として活躍した川崎は、メジャー2年目となる今季、メジャーなら幾ら、マイナーなら幾らと決められた「スプリット契約」からメジャー昇格を目指す。
新天地ブルージェイズは、イチローが所属するヤンキースと同じア・リーグ東地区のチーム。今季は「魔球の使い手」ディッキーはじめ、マイアミ・マーリンズからジョンソンやバーリーら実績十分の先発投手を補強。野手陣も2011年首位打者で盗塁王3度のレイエス遊撃手、同じく俊足のボニファシオなど注目選手が移籍した。今季は本気でプレイオフ進出を狙う“グレードアップ球団”だ。
メジャー1年目の昨季は出場機会も少なく、打率.192でマリナーズを解雇されたムネリン。取り巻く環境は厳しさを増した感もある。が、そもそもメジャー移籍の時に「イチローと同じ球団を」とマリナーズ一本を志し、入団にこぎつけたのは有名な話。今回の移籍も、少しでもイチローに近づきたい思いがあったとか、なかったとか。ともあれトロントへの移籍で“二人の仲”を遠ざける距離が縮まったのは朗報だ。
本命ヤンキースへの移籍は叶わなかったのか? ヤンキース国際スカウト紀田彰一氏は、「ウチ(の内野陣)はAロッド、ジーター、カノーがいますから……。バックアップもそれ相応の選手が求められるので……」と、ムネリン獲得には消極的だった模様。ならばせめて同地区のトロントへ……ムネリンは移籍を決めた。
実は、ヤンキースとブルージェイズはレギュラーシーズンで18度も顔を合わせる。地区の異なるマリナーズ時代と比較すると“逢瀬”の回数は2倍以上に増える計算となる。
“恋の障害”となりがちな、距離の壁も一気に短縮。トロント-ニューヨーク間は直線距離で約600km。シアトルからの約4,000kmと比較すれば、なんと1/7に短縮。東西3時間あった時差もゼロに! これなら電話もしやすくなるし、予定も合わせやすくなるだろう。
今オフも神戸で、イチローと一緒に自主トレすることができたムネリン。満面の笑みで“逢瀬”を楽しんでいた彼はメジャーに昇格さえすれば、月に一度は必ずイチローに会えることになるのだ。
しかし、ひとつ注意しておきたいのは、移籍先のトロントは世界有数の「ゲイの街」ということ。
周辺住民の10人に1人が同性愛者ともいわれ、国籍、嗜好、文化、宗教など多様性が当たり前な土地柄。ただでさえ、小柄でその筋から「キュート」とからかわれるムネリン。あまりに「イチロー、イチロー♪」と言っていると、勘違いされる可能性は大だ。
ともあれ、イチローへの思いが半分実ったムネリン。モチベーションも高まったことで、今季の活躍はもちろんのこと、持ち前の「愛されキャラ」で新天地トロントを盛り上げてくれることに期待したい。
日刊SPA!は今季もムネリンの挑戦を応援します!
<取材・文・撮影/スポーツカルチャー研究所>
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海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!では3月に始まるWBCや、MLBの速報記事を中心に担当
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