2014年のロイヤルズを象徴した選手・青木宣親。移籍1年目の快進撃
’14年のMLBは青木宣親のロイヤルズが下馬評を覆し破竹の8連勝。ワールドシリーズまで勝ち上がった青木の評価は? 辛口NYメディアはマー君の1年目をどう論じた? イチローや黒田の去就は? SPA!が僭越ながら日本人全12選手の活躍を振り返り、評価する決定版!
「今季のロイヤルズはチーム本塁打数がメジャー最少。一方でチーム盗塁数はメジャー最多という“超スモールベースボール”で躍進しました。青木宣親選手はまさに今年のロイヤルズを象徴した選手と言え、最初に優をあげたい選手です」
メジャーリーグ公式サイト・日本語版「MLB.jp」やメジャーリーグ専門誌『月刊スラッガー』でコラムを連載する内野宗治氏は、メジャーリーグのトレンドをこう分析する。
「MLBでは近年、得点数の減少傾向が続いています。’00年は1試合あたりの平均得点が5.14点ありましたが、今年は4.07点まで下がりました。極端な“投高打低”の原因のひとつはMLB機構による違反薬物規制の強化があると思います。さらに投球の軌道を解析するテクノロジーの進歩により、球審の判定基準が変化し、以前よりストライクゾーンが広がった影響もあると思います」
メジャー全体の得点力低下に伴い、以前にも増して1点の重みが増した今シーズンは、盗塁や送りバントでひとつでも先の塁を奪う「スモールベースボール」の価値が相対的に高まった。
「ロイヤルズは、3番打者も送りバントをする野球で快進撃を見せました。青木やイチロー、川崎のように、長打はなくともスピードのある日本人野手は、今後、メジャーでより評価されるかもしれません」(内野氏)
神宮の最終戦には、消化試合にもかかわらず、今季ブレイクしたスワローズの山田哲人選手を食い入るように見つめるドジャーススカウトの姿もあったよう。一発長打で魅了した松井秀喜氏の引退後、日本人野手の存在感は薄れつつあったが、投高打低の傾向により、来季以降も日本人野手の評価は高そうだ。
<日本人メジャーリーガーの通信簿~野手編~>
青木宣親(カンザスシティ・ロイヤルズ/32歳)
◎大変良くできました
移籍1年目ながらロイヤルズの29年ぶりプレーオフ進出に大きく貢献。3年連続で打率.285を超えた。ライトの守備でボールを股間に受けたり、打席で相手捕手の返球がヘルメットを直撃するなど、いろんな意味で“当たり年”
イチロー(ニューヨーク・ヤンキース/40歳)
○良くできました
今季で21年連続100安打を達成。ピート・ローズ氏の持つメジャー記録まであと2年と迫った。ラテン選手との交流も話題に。盗塁すると「今日は速くないな」とスペイン語をつぶやいて相手野手を笑わせているとか
川崎宗則(トロント・ブルージェイズ/33歳)
○良くできました
メジャー3年目の今季、自己最多の62安打をマーク。“ムネリンフィーバー”を巻き起こした昨年に続き、今年もスペイン語の歌に挑戦した動画がネットに出回るなど、持ち前のエンターテイナーぶりを如何なく発揮した
― 日本人メジャーリーガーの通信簿2014年版【1】 ―
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