ビットコインが戻ってくる!? マウントゴックスの債権者集会に出席してみた

マウントゴックスの債権者集会

2時間10分に及んだ債権者集会の後、メディアに取材を求められる債権者たち

 7月23日、ビットコイン取引所大手のマウントゴックス(4月24日に破産開始)が日本で初めて債権者集会を開いた。同社の債権者は12万7000人にのぼるとも言われているが、99%以上の債権者が外国人とあって、会場に集まったのはざっと150人程度。破産者マウントゴックスの代表だったマーク・カルプレス氏も出席した。

 はじめに破産管財人である小林信明弁護士が破産手続き開始にいたった事情や経緯を説明し、配布された財産目録や収支報告書をもとに破産財団(破産者の財産などで債権者への配当の原資となる財産の帰属先)の現状なども解説。そこで明らかになったのは、遅々として財産の保全が進んでいない現状だった。

※債権者に配られた「マウントゴックスの財産目録」の拡大画像 http://nikkan-spa.jp/684546

債権者に配られたマウントゴックスの財産目録

債権者に配られたマウントゴックスの財産目録

 負債総額が65億円にのぼるマウントゴックスの7月時点の現金残高は6億9824万6328円。この大半は顧客の預入金で、マウントゴックスが親会社であるTIBANNE(ティバーン)に貸し付けている7億7279万1001円や、カルプレス氏に貸し付けている1億3617万5781円などについては弁済請求中とした。

 同社は75万ビットコインが消失したことに加えて、顧客からの預かり金に対して銀行の預金残高が最大で28億円も不足するという奇妙な事態に直面して破産に至ったわけだが、民事再生申請中の3月に「20万ビットコインが古い財布から見つかった」と報告して以来、追加調査で発見されたビットコインは今回報告されず、不自然に減少していた預金についても「現在調査中」と報告するのみ。当然のように債権者からは不満が噴出した。

“ビットコインの伝道師”として知られる投資家ロジャー・ヴィアー氏は「ほとんどの利用者が外国人で今回の債権者集会に参加できない状況で、撮影・録音・インターネットでの中継ができないようになっているのはいかがなものか?」と不満をぶつけたほか、ある債権者が「紛失したビットコインの調査を監査法人のトーマツと税理士法人のレクス会計事務所に委嘱しているとあるが、ビットコインの専門家でもない人たちに調査ができるのか?」と不満を漏らす場面も。

 最も多かったのは“公開鍵”に関する質問。ビットコインはその性質上、すべてのユーザーがネットワーク上にある「ブロックチェーン」という“仮想取引台帳”で、誰のウォレット(財布)にいくらのビットコインがあるのか確認できるようになっている。あらゆるユーザーが取引内容を確認できるようにすることで、不正や二重支払を防いでいるのだ。

 先日、アングラサイトの「シルクロード」がFBIによって摘発され、2800万ドル分(当時)のビットコインが押収された際にも、ユーザーはそのFBIが管理するビットコインをブロックチェーン上でチェックできるようになっていた。だが、今回、破産管財人が管理する20万ビットコインの所在を示す公開鍵(アドレス)は明らかにされておらず、債権者はいまだにその存在に関して半信半疑なのだ。

 管財人は「公開鍵を明らかにすることで今後の財産保全に支障が出ないか現在調査中」と、今後の公開鍵の公表を明言しなかったため、たびたび同様の質問が噴出。「同じ質問の人は自粛してください」という指示が飛ぶ一幕も……。

 興味深かったのは保全された財産の配当に関するやり取りだ。

 通常なら債権者が有する債権額に応じて、現金で配当されるのが通例だが、発見されたビットコインを現金化して配当すると売買手数料、為替手数料、送金手数料がかかる。さらに今ある20万ビットコインを市場で売り出した場合には暴落を招く恐れもある。「それだったら、ビットコインで配当したほうが送金手数料もかからないため、合理的では」という質問も相次いだのだ。

 これに対して管財人は債権者に「ビットコインでの配当を希望する人に対して挙手を求め、結果、3分の2以上の債権者が賛同。管財人は前向きに検討することを示した。

 総じてみれば、2時間10分近くに及んだ債権者集会は、大半の事案が「調査中」で希望を感じさせる材料はほとんどなし……。一言も発言しないカルプレス氏に対する不満も飛び出したが、予想以上に流暢な日本語で「いろいろご迷惑おかけして本当に申し訳ないデス」と言うのみで、マウントゴックスがカルプレス氏に貸し付けている1億3617万5781円に全額返済の意思を示すこともなかった。

 紛失したビットコインの調査をトーマツなどに委嘱しているが、調査期限は設けられておらず、今後、調査費用が積み上がっていく可能性も考える。果たして、債権者にどれほどのビットコインが返ってくるのか……調査が待たれる。 <取材・文/池垣 完(本誌)>

※ビットコインの仕組み、マウントゴックス事件の詳細については『ヤバイお金』(著:高城泰/扶桑社刊)を参照

ヤバイお金

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