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サイゼリヤで大盤振る舞いの神様、その心は?――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。 連続投資小説『おかねのかみさま』連載の14回めです。 本日12月12日発売の¥en SPA!に神様ファミリーが出張しておりますので、本編とあわせてぜひお楽しみ下さい。 ※⇒前回「Aラン女子大生 美琴」 〈登場人物紹介〉 健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる 神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い 死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気 〈第14回 これも何かのご縁です〉 「…」 「スタスタスタスタ」 「!!!!!なんですか!」 「ナンデモナイ」 「なんでもなくないでしょ!ずっとついてきてるし!」 「オナカスイタ」 「え?」 「オナカ…スイタ…」 「そんなこと言われても…」 「シクシク…」 「なんか食べたらいいじゃないですか」 「シクシク…」 「どうしました?」 「あ、さっきの」 「さきほどはどうもありがとう。そちらの方、泣いてるみたいですが何かあったんですか?」 「いえ、なんかこのひとが、オナカスイタって」 「…」 「それはいけませんね。かわいそうに。せっかくですからさっき席を譲っていただいたお礼に、私がお二人になにかごちそうしましょうか」 「へ?」 ※   ※   ※ 「はい。わたしも晩ごはんを食べてませんし、お嬢さんもサイゼリヤがお好きとのことですから、もしよかったらこちらの方とご一緒にいかがかなと思いまして」 「なんでサイゼリヤが好きなこと知ってるんですか?」 「さっきの電車でけっこう大きな声で自己紹介なさってましたから」 「…」 「フォカッチャタベタイ」 「!!!?」 「フォッカチオです。フォッカチオ」 「でも…わたし…そこまでしていただかなくても…それに、駅からもうずいぶん離れちゃったし…」 「国道のほうに出ればもう一軒サイゼリヤがあります」 「お詳しい…んですね…」 「えぇ」 「だけど…わるいです。そこまでしていただくのは…」 「だいじょうぶ。これも何かのご縁です」 「でも…」 ぐぅ 「コノコ,オナカナッタ」 「…」 「ま、いきましょうか」 —-サイゼリヤ久里浜店 「いらっしゃいませー、なんめいさまですか?」 「3人で」 「こちらへどうぞー」 「さて、何をたべましょうかね」 「フォカッチャ!!」 「フォッカチオです。頼みましょう。あと、えーと、お名前は?」 「みことです…うつくしいに、琴で」 「美琴さん。いいお名前ですねー。何になさいますか?」 「じゃあ、アラビアータいただきます」 「そちらの…」 「ニガミデス」 「ニガミさん。フォッカチオと何になさいますか?」 「コエビサラダ」 「はい」 「タマネギスープ」 「はい」 「エスカルゴ」 「はい」 「ホウレンソウ」 「はい」 「モッツァレラトマト」 「はい」 「ミラノサラミ」 「はい」 「エスカルゴ」 「さっき言いましたね」 「ミラノドリア」 「はい」 「イタリアンプリン」 「はい」 「ティラミス」 「はい」 「グラスアカワイン」 「わかりました」 「(ずうずうしい…)」 「すいません。注文おねがいします」 「はいただいまー」 「フォッカッチャ,コエビサラダ,タマネギスープ,エスカルゴ,…」 「そうだ、自己紹介をさせていただくのを忘れてました」 「あ、はい」 「私、おかねのかみさまと申します」 「へ?」 「ホウレンソウ,モッツァレラトマト,エスカルゴ,…」 次回へつづく 【大川弘一(おおかわ・こういち)】 1970年、埼玉県生まれ。経営コンサルタント、ポーカープレイヤー。株式会社まぐまぐ創業者。慶応義塾大学商学部を中退後、酒販コンサルチェーンKLCで学び95年に独立。97年に株式会社まぐまぐを設立後、メールマガジンの配信事業を行う。99年に設立した子会社は日本最短記録(364日)で上場したが、その後10年間あらゆる地雷を踏んづける。 Twitterアカウント https://twitter.com/daiokawa 2011年創刊メルマガ《頻繁》 http://www.mag2.com/m/0001289496.html 「大井戸塾」 http://hilltop.academy/ 井戸実氏とともに運営している起業塾 〈イラスト/松原ひろみ〉
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