エレ片が両国国技館でライブ【お笑い芸人の大会場ライブの歴史】
エレキコミックとラーメンズの片桐仁の3人のユニット「エレ片」が今年12月28日に両国国技館という大会場でライブを行うことが発表された。両国国技館と言えば、最大限で約1万1000人が収容可能な会場だ。ただ、これは相撲の興行などの場合で、音楽ライブなどステージを設営する場合は6000人~8000人ぐらいのキャパになると言われているが、それでも大会場であることは間違いない。
今回、両国国技館でのライブに挑戦するエレ片の3人は、TBSラジオ「エレ片のコント太郎」から派生した「コントの人」というライブを10年にわたり続けてきた。現在公演中の「コントの人10」では全国で9000人を動員するというが、両国国技館という大会場でどのようなライブを行うのか? 現状ではまだまったく情報が開示されていないが、片桐仁氏はこう語る。
「小学校のとき、焼き鳥を食べるだけに行った大相撲、両国国技館。あれから30年。正直ピンときませんが、あの土俵(舞台)に立てるなんて、夢のようです! とにかく、みんなと一緒に楽しみたいと思います!!」
エレ片の3人でのコントライブ形式は「コントの人10」で終了し、今後は3人だけではない形でライブを展開していくそうだが、果たして両国国技館では何を見せてくれるのか。コントにこだわるのか、まったく新しいことを展開するのか。注目である。
文/織田曜一郎(週刊SPA!)
お笑い芸人の両国国技館でのライブと言えば、最近では千原ジュニアが2014年に「40歳ライブ」(正式名称は「2014 千原ジュニア40歳LIVE『千原ジュニア×□』in 両国国技館」)が8000人の観客を集めたのが記憶に新しい。これは、開催の5年前に会場未定で前売り券が発売されたということも話題を集めた。
2009年には落語家の林家いっ平(当時)が2代目三平の襲名記念イベントを行っており、これが落語としては両国国技館初のイベントだった。ただし、こちらは8000人のファンを無料招待したという。
さらに大会場と言えば日本武道館だが、こちらでお笑い芸人として初の武道館ライブを行ったのは松本人志。1995年に「松風’95」という伝説的な「料金後払いライブ」を行った。また、2003年12月には松本人志のラジオ番組「放送室」が武道館で公開録音イベントを開催している。
そして、再び落語界に注目すると、1997年に春風亭小朝が武道館で独演会を行っており、これも当時大きな注目を集めた。
さらに2007年には笑福亭鶴瓶と松島尚美がテレビ番組「きらきらアフロ」のイベントを行っているが、こちらは松島尚美のバンド「KILLERS」の解散ライブも兼ねていた。
一方で、大会場でのお笑いライブには難しい面もある。故・立川談志はかつて「落語はせいぜい300人ぐらいの会場でやるものだ」と語っていたが、落語に限らず表情や空気感などで笑わせるコントや漫才は、会場が大きくなればなるほど、客との距離感が生まれてしまう。同じことは演劇にも音楽ライブにもプロレスにも言えるが、特にお笑いは微細な表現が大会場では伝わりづらくなるものだ。
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