森下千里が小説で描く「オトコとオンナの問題点」
――では、森下さんとしては「草食系の独身男子よ頑張れ!」と。
森下:恋愛って勇気がいるものじゃないですか。断られたら気まずいかも、とかそういう恐怖に立ち向かった先に得られるものがあるわけで。傷つくことで学べることだってあるわけですし。経験豊富なおじさんにかわいいコ取られている場合じゃない、とは思っちゃいます(笑)。
――オトコ側の問題はわかりました。『倍以上彼氏』ではスタイリストを志すイマドキ女子の生態がディテール細かく描かれていて興味深かったのですが、現代の女性の生態で知っておいたほうがいいことってあります?
森下:それはFacebook見てたらわかるんじゃないですか(笑)。みんなで集まってイエーイ、みたいなリア充アピールすごいじゃないですか、女子って。女の私ですら落ち込むときありますもん。「みんな花見で楽しそうなのに、私はなんで家に1人なんだろう」って。
でも、これもある種の病気みたいなもので、みんな不安なのかもしれないと思うと心が軽くなった。人間関係に不安を抱えていて、それを誤魔化したくて、そういう写真を撮りたいがために色んな場所にいったり、何人も取り巻きを作っていたりする。それって、心の隙間を埋めてくれと言っているような感じにも思えてきませんか? 1人でおでん食べてる写真を堂々とアップしちゃう女友達がいるんですけど(笑)、私はむしろ、そういう女性のほうが潔くて好きかな。
――たしかに、それは信頼できそうですね(笑)。次作を執筆するとしたら、やはりテーマは恋愛ですか?
森下:草食男子にしても、愛人体質の女性にしても、この時代の恋愛って少し問題点を孕んでいると感じているんですね。『倍以上彼氏』では不倫について書いたけど、今度は男性側のリアルな恋愛事情についても書いてみたいと思っています。
【森下千里】
’81年、愛知県生まれ。グラビアアイドルとして出した写真集は数知れず。カレーとゴルフをこよなく愛し、株やFXにも精通するなど多趣味を極める。「倍以上彼氏」が河出書房新社より絶賛発売中
<取材・文/日刊SPA!編集部>
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『倍以上彼氏』 華やかな芸能界の片隅でスタイリストを目指す女性の夢と生を描く恋愛小説 |
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