ショーン・マイケルズのボーイ・トーイ自我――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第128回
いわゆるアイドル系のタッグチームを卒業し、シングルプレーヤーとしての可能性を探りはじめたマイケルズは、生まれて初めてヒールとしての自我にめざめた。ボーイ・トーイとしてのイメージを強調するため、専属マネジャーには“センセーショナル”シェリー・マーテルがキャスティングされた。マーテルのケバさが“年下の男の子”“若いツバメ”というイメージにぴったりだった。
カッコよすぎて、モテすぎちゃって、最後には女の子のココロを傷つけてしまうという20代のマイケルズが演じたボーイ・トーイとうキャラクターは、やがてHBK(ハートブレイク・キッド)へと進化をとげていく。ボーイ・トーイもHBKも、マイケルズのなかにいた“ナチュラルな自分”だったのだろう。
シングルプレーヤーに転向したマイケルズとブレットは、バックステージの奥からハルク・ホーガンの去ったリングをながめていた。そこに立っているリック・フレアーと“マッチョマン”ランディ・サベージはふたりにとってはライバルではなく、どちらかといえばやっかいな“障害物”でしかなかった。
マイケルズもブレットもそれぞれフレアー、サベージとのシングルマッチの実現を望んだ。“番付”をひっくり返すためには、まず“伝説の男たち”を削除しておかなければならない。ふたりは犬猿の仲ではなく、共通の目的を持った仲間だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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