間違いだらけの“意識高い系”健康法――スーパーフードだけ食べ続けても健康にはなれない!?
栄養バランスと栄養価が高く、一般的な食物とサプリメントの中間的存在だとして、目下、ハリウッドセレブや成功者に人気だということで「意識高い系」に大人気の食べ物。
それがスーパーフードだ。発祥地はアメリカ・カナダで、チアシード、スピルリナ、タイガーナッツ、ヘンプ、キヌア、アサイーなどがその代表。
医師の目から見ても、それなりに評価はできるものだ。
「どれも、それなりに効果はあると思います。例えばアサイーには強力な抗酸化作用があるし、チアシードは食物繊維が豊富、ヘンプはオメガ3系のα-リノレン酸を多く含んでいてタンパク質源にもなります。最近登場したペルー産の『ルクマ』(アボカドに似た抗酸化物質を多く含む果実)は食後の血糖値を上がりにくくするといわれていますね」(『ダイエットの新習慣』朝日出版社などの著書がある医師・池谷敏郎氏)
「タイガーナッツは食物繊維が豊富。小腹が空いたときにポテトチップを食べるならこのナッツを食べるほうがよいし、食前に食べれば血糖値の上昇も抑えられます」(『本当は怖い!健康診断&人間ドック』主婦の友社などの著書がある消化器内科医・大竹真一郎氏)
しかし、メディアで持て囃されて、意識高い系が飛びつくスーパーフード、実際のところ正しく摂取されていないケースも少なくないという。
「木を見て森を見ず的になりがちなのがスーパーフード信者の欠点。食べ物は全体のバランスが重要であり、スーパーフードはその中の有力アイテムの一つにすぎないということを忘れがちなんです。チアシードさえ食べていれば大丈夫、とかね。また、普通の食事にプラスする健康法しか頭にないのも難点。スーパーフードを足すなら、どこかで引き算をしないとスーパーカロリーになっちゃいますよ」(池谷氏)
スーパーフードはダイエットありきの食品であると大竹氏も断言。
「ダイエットをすると栄養不足になりがちなので、その点をカバーする食品と考えるべき。しかし私から言わせれば、そもそも万人が健康になるスーパーフードなんて存在しませんけどね」(大竹氏)
スーパーフードだけ食べ続けても健康にはなれないのだ。
【池谷敏郎氏】
医学博士。池谷医院院長。東京医科大学医学部卒。同大学客員講師、総合内科専門医、循環器専門医。著書に『老けない血管になる腸内フローラの育て方』(青春出版社)、『ダイエットの新習慣』(朝日出版社)他
【大竹真一郎氏】
消化器内科医。おおたけ消化器内科クリニック院長。神戸大学医学部卒。総合内科、消化器病専門医。著書に『本当は怖い!健康診断&人間ドック』(主婦の友社)、『腸の「吸収と排出」が健康の10割』(ワニブックス)ほか
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