40代は要注意 ガン以外でもっとも危険な病気とは?
日本人の3大死因である悪性新生物(ガン)、心疾患、脳血管疾患。このうちもっとも割合が大きいのはガンだが、実はそれ以外の2つはほぼ同じ病気であることを知っているだろうか。
心疾患と脳血管疾患は、どちらも突然発生した血栓によって血管が詰まり、血液の流れが止まることで引き起こされることが多い。いわゆる血栓症という病気だ。事実、心疾患の9割は心筋梗塞、脳血管疾患の6割弱は脳梗塞である。
そんな血栓症は、世間的な認知度はそこまで高くない。しかし、寒い冬の季節こそ注意が必要だという。国立循環器病研究センターが2012年に発表した過去10年間の入院件数の推移では、血栓症の患者は毎年冬の時期に増加している。なぜ、この時期に患者数が増えているのか?
血栓症の原因となる下肢静脈瘤手術のパイオニアとして、これまで3万人以上の手術を実施してきた北青山Dクリニック院長の阿保義久氏に、その原因と対策を聞いた。
――「血栓症」とはどのような病気でしょうか?
阿保:医学的には以前から使われている言葉ですが、血管が詰まったときにできる血の塊のことを「血栓」と言い、このとき引き起こされる症状のことを血栓症と呼びます。
――なぜ冬場に血栓症が増えるのでしょうか?
阿保:前回サウナの危険性についての記事でもお話しましたが、冬の寒い季節になると、血管が収縮し、血圧が高くなります。そのため、血流の勢いが増し、血管にへばりついていたプラークが壊れて、血の塊、つまり血栓ができやすくなるのです。
また、冬場は意外と脱水状態になりやすい。つい夏場のほうが脱水しやすいと思いがちですが、冬も空気が乾燥したり、あまり水分を補給しなくなったりするので脱水状態に陥りやすい。血液中の水分がなくなり、いわゆるドロドロ血液になって、血栓ができやすくなります。喉の渇きや皮膚の乾燥などが脱水のサインです。
――どんな点に気をつければいいのでしょうか?
阿保:もっとも気をつけたいのが、主要臓器と呼ばれる心臓、脳、肺の3つの血栓症です。いずれも大量の血流を必要とする臓器で、血液の供給が途絶えると容易に死滅します(梗塞)。心臓の場合は心筋梗塞、脳の場合は脳梗塞につながります。
さらに肺の場合は、足の静脈にできた血栓がはがれて血流に乗り、肺に到達すると、突然死を起こしうる肺塞栓症を引き起こします。

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