有酸素運動では痩せない! ジム初心者がダイエットに失敗する本当の理由
冬の運動不足により蓄えられてしまった脂肪。たるんだ身体を目にした焦りから、ジムに駆け込み入会する人が増える季節である。だが、ジムに通ったからといってそう簡単に痩せるものではない。
痩せるため、筋肉量を増やすことはダイエットの第一条件。体内カロリー消費の70%を占める基礎代謝量を上げるには筋肉量を上げるのが一番の近道だ。筋肉が増えれば、じっとしていたり寝ていたりの状態でも、多くのカロリーを消費し体脂肪を燃やす痩せ体質の身体になる。しかし、スポーツジムに蔓延する“ジムあるある”こそが、ダイエット挑戦の邪魔となる。
自身が30kgのダイエットに成功し、トレーニングジムとエステティックが融合した男のやせる専門店「ダイエットセンター by DANDY HOUSE」を立ち上げた新田竜司氏は、ジム初心者が陥りがちなダイエット失敗の典型例を説明する。
「スポーツジムには筋トレ、マシン、有酸素といった3つのエリアがあります。いろんな客層がいるなか、痩せるためのダイエットでは筋トレエリアが一番重要なわけです。だけど、そこにいるのはムキムキの男性ばかりで、とにかく近寄りづらい。すごいオーラを放っているので、つい初心者は『使っちゃいけないのかな、邪魔しちゃダメなのかな』と思って、筋トレ以外のエリアへ行ってしまう。でも、ダイエットをするんだったら、本当はそこに行かないとダメなんです」(新田氏)
こうして、スポーツジム初心者はランニングマシンなどがある有酸素エリアに流れ着く。しかし残念ながら、有酸素運動は筋肉が増える運動ではない。
「有酸素エリアでは太った人たちが汗をかきながら、一生懸命ウォーキングしたり走ったりしている。そこにいる人たちは、いくらやっても痩せないんです。
まず単純に、カロリーの問題がありますよね。例えば、ウォーキングやジョギングで1日1時間ほど走って、それを1か月間続けたとします。これでだいたい消費するカロリーは1kgくらいになる。じゃあ10kg痩せたかったら、10か月かと言うとそうではなくて、だんだん身体の心肺機能が上達してくるんです。だから今まで1キロ落とせたのに、次の1か月は900g、さらに次の1カ月は800gと、だんだん消費しなくなってくるんです」
さらに、有酸素運動には知られていないデメリットがある。実は、有酸素運動だけを毎日何時間も続けると、UCP3という「痩せ遺伝子」が減っていくことが科学的に証明されている。また、筋肉を削りエネルギーに変えるホルモン「コルチゾール」が出てしまう危険性もある。脂肪を燃やしてくれる焼却炉が筋肉であるから、運動してカロリーを消費しようにも消費できなくなってしまうのだ。
「有酸素運動は、やればやるほど筋肉が落ちていくんです。マラソン選手を見たらわかると思いますが、筋肉も脂肪も余分なものをすべて排除した身体が一番適してる。いわゆる省エネな身体で、少ないエネルギーで長い距離を走ることができる。だから有酸素運動だけを、ずっとやっていると、あの身体に近づいていくんですね。有酸素運動をやめてしまったときには完全に省エネで、脂肪が付きやすい身体になっている」
基本的にスポーツジムでは、月額もしくは回数ごとに高い料金を支払って利用することが多い。そうなると「せっかく高いお金を払っているんだから」と長時間ずっと利用する人が多いが、これもダイエットには逆効果となる。
「長時間やればやるほど痩せるというのも間違いです。長時間の運動では、身体が危険を感じてかえって脂肪を蓄えようとするんです。長くても30分くらいでいい。これ以上やったら、筋肉を分解して脂肪も使わないし、本来の人間が持っている、自分の命を守るために、脂肪を蓄えようとする作用が働いてしまうのです」
<取材・文/北村篤裕>

「有酸素運動」は筋肉を落とし、基礎代謝を下げる

【関連キーワードから記事を探す】
2年で「134店舗→1500店舗」に。急拡大するchocoZAPが“最も恐れる事態”とは
「失敗しないジム選び」を現役パーソナルトレーナーが指南。“無料見学”にはコツがある
「スポーツジムは不要不急ではない」自粛営業するジム経営者の思い
10分の昼寝で2時間の睡眠効果? 話題の「パワーナップ」を試してみた
携帯電話、スポーツジム…納得のいかない契約&解約の舞台ウラ[コラムニスト木村和久]
SNSで流行「#ドカ食い気絶部」の危険な実態。「ドカ食いなしではなかなか寝れない」23歳女性の心の闇
巻き肩解消で肩こりゼロ!健康とボディメイク効果を高める「究極の筋力トレーニング」
「筋トレ初心者ほど選ぶべき種目」はどれ?人気パーソナル・トレーナーが「無理なくボディメイクを続けるコツ」を伝授
1年で13kg痩せた管理栄養士が教える、「ランチを食べすぎた夜」の健康的な“コンビニ飯”の選び方
50代の歯科医が“3か月で11kg”痩せた方法とは?食事の5分前にやるだけで「リバウンドなく体形を維持できています」
男性更年期障害をのりこえる「3つの筋トレ術」。1日20分で“男性ホルモン”UP
筋トレ初心者にはほぼ知られていない「正しいトレーニング」3つの新常識
プロテインの「買いたい&絶対買わない」ジム経営者が選んだのは…
ポッコリお腹が気になる中年男性に聞いた「理想的な体形の有名人」1位は?
夏の水難事故防止に有効!? 服を着たまま泳げる「日本古式泳法」がサバイバルに最適だった
病院の検索、予約、診察、決済、処方薬の受取りがワンストップで実現する最新医療プラットフォームとは?
爆速若返り!『水ダウ』で話題の芸人ゆきおとこ、美容施術10分でどこまで変わったか
足の裏で健康状態が分かる。要注意な足の色とは?
朝食抜き、昼ラーメンの30代がサプリメントで体調改善できるのか?
市販のサプリは半数以上が問題あり!? 正しいサプリの選び方
「休む」を改革せよ!医学博士が教える最強の休息法5選
「病気ではないのに、体がずっとダルい人」がまずは取り入れるべき“3つの習慣”
「健康診断をサボり気味の人」のほうが長生きできる!? “正常値の維持”にメリットはない
「体重が5kg減って喜んでいたら…」元『とくダネ!』フジアナウンサーが患った“大病”の前兆
陸上自衛隊初の心理幹部が教える「強メンタル」のつくり方。感情の乱れを静める“DNA呼吸法”とは
あのロングセラー商品に体脂肪を減らす効果が。15年目の真相を聞いてみた
「隠れインフル」に注意!専門家が教えるインフルエンザ対策の基本
「和食中心の日本人」には欧米のダイエット法は不要
日本人に「欧米式の食生活と健康法」は有害!? 体質の違いでダメージを受けることも
健康のために始めたら、逆に不健康になった実例集…40代の減量、マラソンは危険!?
「隠れインフル」に注意!専門家が教えるインフルエンザ対策の基本
「ペヤング」を健康的に食べる裏ワザ プラス100円で実践できる
「ラーメン餃子セットvs大盛りチャーハン」不健康なのはどっち?
40代は要注意 ガン以外でもっとも危険な病気とは?
ダイエット目的のサウナや水風呂は効果がない?医師に聞く正しい入浴法
上司にヘッドフォンをしたままの挨拶はあり?20代と40代のマナー問題
固定電話に出ない、LINEで「休みます」…若手社員にどう諭すのが正解?
健康のために始めたら、逆に不健康になった実例集…40代の減量、マラソンは危険!?
「筋トレ大食い vs 運動せず小食」どっちが不健康? やってはいけないダイエット・ワースト10
食後すぐの歯磨きはNG! かえって歯にダメージを与える…「歯磨き」の新常識ベスト5
「デブなのに、健康的に長生きできる男」に共通している5つの特徴
飲み会の前にはコンビニに行け! ドカ食いを防ぐおすすめ食品6選
悪玉コレステロール=体に悪い、は実は間違い!?
日本人が「糖質制限」すると糖尿病の原因に!?
テトリスを3分プレイすれば食欲が消える!? 正月太りを解消する方法