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人はなぜ「電車の中でイチャイチャするカップル」に心乱されるのか?

 先日私の心をかきむしったカップルは「私と同世代と思われる女(30代前半から半ば)が、とっちゃん坊やっぽい男に幼児のように甘え、男はそれをかわいいなあとかいいながらデレデレで受け止めている」というものでして。  心の中で《違う違う! そんなわかりやすいぶりっ子をかわいいとか、目が腐ってるのか!》とか《なんだよその寒いやりとりは!》などと、一人で荒ぶっていたのですが、《でもなんで私はあのカップルに嫌悪感を覚えているのだ?》と考え始めると、ゾッとする自分の醜さに突き当たったのです。  それは、掘り起こすと「私は人前でイチャイチャしないように自制してきたのに、同い年くらいの女が当然の権利のようにイチャイチャし、しかも相手から受け入れられている。ずるい!」という気持ちだったのですよ。  見ず知らずの他人のことを年齢でジャッジしてるところも醜ければ、自分が勝手に自制していることを他人にまで押し付けようとする傲慢さも醜い……。お前はうんこ風紀委員かと。  というわけで、人というのは自分に何かしら引っかかりのある部分がある相手にイラっとしてしまうのではないでしょうか。だから、嫉妬する必要もない赤の他人にこんなことを思ってしまう。
犬山紙子

犬山紙子

 芸能人が別に視聴者に迷惑をかけてないのにやたらとバッシングされたりするのも、同じような仕組みなんでしょう。芸能人ってテレビで見てるうちにどっか引っかかるようになりますものね。  まあ、しかしですよ。イチャイチャするカップルよりも、バッシングするほうが痛い、というのは真実だとして、私が一番ニヤニヤしたのが、ネットではそういうカップルを盛んに叩いているくせに、実際に会ってみたら、彼女と始終イチャイチャしどおしだった J(37歳)ですよ。「俺は外でイチャイチャなんかしないですから。ちゃんとわきまえてますからw」みたいなマウントポジションを取りつつ、結局はやっとるんかい!と。  これは悪いですけど、この連載で消費させていただくことにしました。だって、まったく嫉妬の気持ちもわきませんからね。へへへへへ~。 【犬山紙子】 エッセイスト。単行本デビュー作『負け美女』(マガジンハウス)で注目を浴びる。著書に『高学歴男はなぜモテないのか』(扶桑社新書)ほか。TVでは『スッキリ!!』ほかでコメンテーターとして活躍中 ★痛男!エピソード大募集★ 犬山紙子さんにぜひ聞いて欲しいアナタのまわりの「痛男!エピソード」募集します⇒投稿フォーム(https://nikkan-spa.jp/inquiry) ※題名には「痛男!エピソード」と記載してください。なお、いただいたエピソードは、週刊SPA!および日刊SPA!にて採用させていただくことがございます。ご了承ください ※「痛男!」は週刊SPA!にて好評連載中
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