雑学

東京六大学の学生がDQN姿で地元福岡の“荒れる成人式”に参加!?「今日から大人ではなく今日まで子ども」

 式当日に行方をくらませた振袖レンタル業者「はれのひ」の報道一色となった今年の成人式。だが、恒例のニュースといえば地方の「荒れる成人式」だ。福岡などの九州や沖縄……DQNたちが大暴れし、警察と揉み合った末に逮捕者が出ることも珍しくない。

 今年もなにか起きるだろうと予測し、福岡の成人式に参加するという若者と事前に連絡を取り合っていた筆者だが、そこで見えてきたのは彼らの意外な素顔だった……。

新成人

※写真はイメージです。本文とは関係ありません

やんちゃなDQNの素顔は東京六大学に通う真面目な学生!?


 「いやー! 最高っすよー!!」
 「新成人イエーイ!!」
 「××(地域名)イチバン! ××サイコー!!」

 電話の向こうにいるのは、いわゆる“東京六大学”の経済学部に通うリュウキ君(20歳・仮名)。地元福岡に帰省し、成人式の会場から筆者に連絡してきてくれたのだが、とにかくうるさくて、何が何だかわからない。「イエーイ!」「オラオラー!」という怒号の後、ガサガサッと大きな雑音がしたかと思うと、そのまま電話は切れて、翌日まで繋がることはなかった。

 リュウキ君は、福岡市内にある県立の名門高校を卒業後、東京六大学に数えられる某大学の経済学部に進学。現在は外資系IT企業やレストランでのアルバイトを掛け持ちし、学費以外の家賃や光熱費、食費も自身で稼いでいる。いわば真面目な学生だ。

 成績は非常に優秀で、所属ゼミのOBからはすでに「うちに来なさい」とオファーの声も掛かる。プライベートでは彼女が切れた試しもなく、ファッションにも余念がない。オーバーサイズのMA-1ジャケットにパーカー、細身のパンツに流行のナイキ製バッシュを合わせて、前髪を作ったアッシュ系ゴールドのヘアスタイル。表参道や原宿を歩けば、芸能事務所のスカウトや美容室のサロンモデルにと、声を掛けられることも少なくない。

 そんな今風でスタイリッシュな彼だが、成人式での出で立ちは、想像を絶する……いや「荒れる成人式」のニュース番組に出てくるアホ成人そのままの格好だった。

「地元のタメ(同級生)同士で、袴の色ば合わせたですもんね! 白地にゴールド、大人っぽかでしょ? 髪は当日の朝3時に地元の美容室でやってもろうたとです」

 後日、リュウキ君の当日の格好を収めた写真を見て筆者は絶句した。白地に金の袴は大人っぽいどころか下品で、髪型は、中国の古代絵巻に登場しそうな原色孔雀にも似た、カラフルでボリュームのあるリーゼント。そのうえに紅白の細いねじり鉢巻を巻いて、刑事ドラマで見かけるティアドロップ型のサングラス。四方八方に隙のない「アホ成人」スタイルに身を包んだリュウキ君。日本酒の一升瓶をラッパ飲みする姿や、金や銀のモールに彩られたピンクのオープンカーに立ち乗りする様子も、写真にしっかりと収められていた。近年問題視される「荒れる成人」だが、まさかリュウキ君のような普通の好青年が……と驚くが、リュウキ君は「これでやんちゃは最後ですもん」と飄々と話すのだった。

「なんつーか……最後のやんちゃですよ(笑)。だから気合ば入れて、袴も1年前にはレンタル決めてですね、美容院も予約す。女と同じですよ。車はヤンキー仲間や後輩たちが、ボロいのを塗装したり屋根ばぶった切ってオープンカーにしてですね。それもみんなで持ち出しでやるけん……成人式だけで軽く50万以上飛んだでしょうね」

 写真に写るのは、古い年式のトヨタ・マジェスタ。地元の自動車修理工場に勤める元ヤンキーの友人が屋根をグラインダーで無理やり切り、即席のオープンカーにした。「荒れる成人」がなぜか手に持つ「拡声器」は、同じく地元の土木工事会社に勤める友人が会社から借りてきたもので、ステッカーなどを貼って装飾。大量の酒は、地元の酒屋に半年前から注文したもので、新成人の名前がラベルになった特注品も揃える。

「自慢は何と言ってもこの“ノボリ”っすね。地元の後輩たちが、染物屋に俺らの名前の入ったノボリば特注して、成人式当日にフッてくれるとですよ。これには感激しましたね」

 地元名やリュウキ君のフルネームが染め抜かれた派手なノボリは、とてもスタイリッシュとは言えない前時代的な、下品で派手なデザインだが、それでもこのノボリを見て感激し、地元のありがたさを知ったと話す。

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「今日から大人」ではなく「今日まで子ども」

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