ロード・ウォリアーズ解散の衝撃――フミ斎藤のプロレス読本#022【ロード・ウォリアーズ編7】
ホークは疲れきっているらしかった。ほんのしばらくのあいだでいいからノーマルな生活をしたがっているという。4人いる兄弟はみんなちゃんと結婚をしていて、子どももいる。
しばらく会わないでいるうちに甥っ子たちも姪っ子たちもどんどん大きくなっている。ロード・ウォリアーズとしてアトランタでデビューしたのが1983年6月だから、もうまるまる9年もロードに出ていたことになる。
そろそろひと休みしてもいいころかもしれない。ホークは34歳のバツイチだ。本人はしばらくゆっくりしてから日本のリングで活動を再開することを希望していた。もしできることなら、ハイスクール時代からの親友スコット・ノートンのいるところでプロレスをやりたいと考えているという。
いっぽう、アニマルはこれからもWWEでがんばりつづけるらしい。ホークの後釜には末弟のターミネーター(マーク・ローリナイティス)を使うつもりだったが、WWEサイドは大型のクラッシュ(ブライアン・アダムス)を新パートナーに起用しようとしていた。もうひとりの弟ジョニー・エースは、全日本プロレスをホームリングに活動している。
いずれにしても、LODは存在しつづける。WWEのロースターにいることでLODはワン・オブ・ゼムになった。でも、それはそれでよかった。
ロード・ウォリアーズというタッグチームに特別な感情を抱いていたぼく――とぼくと同世代のみんな――は、最後の最後までリージョン・オブ・ドゥームなるチーム名にはなじめなかった。
終わりがあるからまた新しい出発がある、なんていったらちょっとカッコよすぎるかもしれないけれど――。(つづく)
※文中敬称略
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ1
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