一方、売人のように街をかけずり回ることもなく、パソコン作業だけで彼らの倍の収入を得ているのが出会い系アプリのサクラだ。 「月給は40万円ぐらいですかね。まずは大量の会員に同じ文章を一括送信。返事をした男性とやりとりして、メッセージを送信するためのポイントに課金させるのが仕事です。一日の労働時間は12時間。拘束時間が長く、ずっと座っているので腰が痛くなりますが、実際のやりとりはそれほど多くないですし、人と会わずに済むので気分的にも楽です」 　そう語るのは36歳の佐藤実さん（仮名）。残念なことに、というべきか、ご存じのように、というべきか、男性である。しかし、今や出会い系にサクラが交じっていることなど簡単に想像がつくだろうに、相手にバレないのだろうか？ 「結局、相手も暇つぶしでやってるんですよ。年金暮らしの老人から学生まで、利用者の年齢はさまざまですが、女のコと付き合いたいというよりは話し相手が欲しいんです。何十万円分も課金して、自慢話をする医者や弁護士もいます。半分カウンセラーですよ」 　日々、事務所に通い、会社員のような生活だが、業務内容の単純さを思えばいい仕事だ。 ＜出会い系アプリサクラ＞ 月収40万円 勤務時間帯：12～24時 平均労働時間：12時間／日 労働日数：24日／月 特記：パソコン上でやりとりするだけ ― ［アングラ職業］の給与明細 ―