「アメリカでは大麻入りチョコやクッキーも…」大麻合法化の動向を丸山ゴンザレスが解説
いま世界で急速に変化が起こりつつある“大麻”を取り巻く環境。日本では当然、違法である。とはいえ、アメリカでは西海岸を中心に各州で大麻合法化が進んでいることは周知の通りだ。日本と密接なつながりがある国だけに、もはや私たちの生活と無関係とは言い切れないだろう。大麻合法化によって今、世界でなにが起きているのか。果たして、その影響とは?
「もはや善悪二元論では語れなくなっている」とは、旅番組『クレイジージャーニー』(TBSテレビ系)で話題の危険地帯ジャーナリスト、丸山ゴンザレス氏。新刊の著書『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)のなかで、アメリカやジャマイカ、メキシコなど世界各地の麻薬事情を取材したルポをまとめている。今回は、実際にゴンザレス氏が体感してきた、“大麻合法化に向かう世界”の動きを解説してもらった。
「アメリカでは、大麻関連で捕まった人たちが約200万人いる。その人数が財政を圧迫しており、対策として合法化を進めているとも言われています。アメリカの大麻事情にかんして言えば、もはや単純に善悪二元論で語ることはできなくなっています。社会問題を解決する可能性もありますし、結果としてカルテル(麻薬密売組織)に流れるお金を減らすことにもつながるかもしれません」
そもそも、なぜメキシコで“麻薬戦争”が起きているのかといえば「アメリカが麻薬を大量消費してくれるから」にほかならないという。
メキシコでは、政府とカルテルが対立し、多くの死傷者を出している。ゴンザレス氏は、その背景にはアメリカが関係しているという。アメリカでは、医療目的・嗜好品を問わず、アラスカ、ワシントン、オレゴン、コロラド、カリフォルニア、マサチューセッツ、ノースダコタ、ネバダ、アーカンソーの9州で大麻が全面合法化。西海岸では、ほぼ全域で大麻が合法化されている。医療目的限定では、さらに多くの州が含まれる。
そんなアメリカには、メキシコや中南米から大量の麻薬が密輸されていると言われている。
「アメリカが大量消費しなければ、メキシコや中南米の麻薬生産やカルテルの利益も下がるはずなんです。とはいえ、当のアメリカでいまなにが起きているのかといえば、大麻の合法化が進んでいる。トランプ大統領で動きが止まるのではないかと言われていたのですが、選挙中に『各州の判断に任せる』と発言した。しかし、共和党としての意見ではNG。今後はどうなるのか、というところですが、国内の完全合法化には慎重な姿勢を見せているので、再び先行きは読めなくなりました」
では、合法化された州では実際なにが起こっているのか。ゴンザレス氏は昨年、オレゴン州のポートランドを訪れた。2015年から嗜好用大麻が合法化されている。
「ポートランドには自由な気風があります。住人に占める白人の割合が多いように感じられます。合法化されてから、販売店では21歳以上なら身分証を提示するだけで買える。外国人でもパスポートで購入することができます。とはいえ、ホテルではもちろん、屋内ではタバコさえ吸ってはいけないというルールがある。もちろん、屋外で吸うことは、合法化されているので捕まったりはしませんが、あくまで個人で楽しむ嗜好品なので、節度は必要です。すべての住人が大麻を受け入れているわけでもないからです。ただ、受け入れている現地の人たちは、タバコ感覚で吸うだけではなく、ジュースやチョコ、クッキーなどの大麻が加工された食品を楽しんでいる人もいる。だからといって、ポートランドの治安が著しく悪くなったのかといえば、そんなことはない」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1382666
アメリカでは、それほど大麻がカジュアルに親しまれているということか。
「合法化されている州では、街中でも割とプンプン匂いますね。ポートランドでは、その辺のおばあちゃんがマリファナをポーチに座ってのんびりと吸っている姿を見たときは、さすがに衝撃を受けた。実際、泊まっているホテルでも館内中に漂っていましたね。なぜか俺の部屋のドアに『マリファナを吸わないでください』というメモがスッと入ってましたけど……俺じゃねぇし! むしろ臭いがついて、迷惑したぐらいだから!」
アメリカを取り巻く大麻合法化の動き
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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