80年代ドライブコースの大定番「134号」のなにが若者たちを駆り立てたのか? 湘南海岸沿いで大渋滞、1時間で10mしか進めないことも…
バブル前夜に青春を過ごしたあなたは「134号」と聞いて、どんな風景を頭に思い描くことだろう?
正確には「一般国道134号」のことである。神奈川県内で完結する道路で、横須賀・三浦・逗子・鎌倉・茅ヶ崎など、三浦半島および湘南海岸に沿って走るルートとして有名だ。「海岸に沿って走る」ということは、イコール「景色がとてもキレイ」なわけで、現在でも日本で5本の指には入るであろう、絶好のデートスポット、ドライブコースとされている。
あのころは、内陸部の道路整備がまだ不十分で、渋滞が名物となっていたルートでもあった。特に7~8月は休日じゃなくても1時間の走行距離が10mみたいなこともザラだったりした。
カーナビで裏道や渋滞情報をそれなりに調べることができる今の時代なら、ある程度は対応も可能だろう。最悪「今日は混んでそうだから別の場所に行こうか」という選択だってできる。しかし、カーナビなんて『スターウォーズ』レベルのファンタジックなメカでしかなかった80年代の若者たちは、冊子の道路マップとおぼろげな記憶とアテにならない方向感覚だけを頼りに、あえてオンシーズンの134号へと真っ向から挑んでいった。
いったい全体、134号のなにが、当時の若者たちのハートを熱く駆り立てていたのか?
一つには、たった約60kmしかないのに「海と古都を同時に満喫できる」という、日帰りドライブにベストな距離感がある。寺院とオシャレなショップが乱立する鎌倉を抜けたら、そこはすぐ湘南――。おそらく日本中探しても、ここまで都合のいいデートコースはそうあるまい。いうなれば神戸と京都を一日で攻めるようなもので、当然の事ながら関西人にとって、そのプランは無謀で非現実的でしかない。

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大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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